退職するとすぐに社宅を出ないといけない? 社宅に住み続けることはできる?
配信日: 2023.06.08
この記事では、企業を退職したらいつまでに社宅を退去すべきなのか、退職しても同じ物件に住み続けられる方法はあるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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社宅とは
社宅とは、企業が福利厚生や転勤対応を目的として、従業員向けに比較的安価な金額で貸与する住宅のことをいいます。家族向けの物件を社宅、単身者用の物件を寮とよぶこともありますが、どちらも企業側が社員に住宅を提供しているという点で同じ意味合いです。
社宅には、「社有社宅」と「借り上げ社宅」の2種類があります。
・社有社宅
社有社宅とは、企業が所有しているマンションなどの物件を社員に貸し出すタイプのことをいいます。社有社宅には社員とその家族が住むことがほとんどなので、社員同士や家族同士の交流をしやすいことが特徴です。
・借り上げ社宅
企業が一戸建てやアパートなどの家主と賃貸契約を結んで社宅として借り上げ、社員に貸し出すタイプのことをいいます。家賃の一部を企業が負担するので、社員は通常の賃貸物件より安価な賃料で入居できることがメリットです。会社によっては、一定の条件下で社員が物件を選べるケースもあります。
企業を退職した場合に社宅を退去すべき時期
社有社宅の場合は、企業が社員のために住宅を提供しているので、退職すると居住対象者ではなくなり、退去しなければなりません。借り上げ社宅の場合も、従業員が退職した場合は退去しなければならないと、社内規定で定められていることが多いです。
ただし、企業を退職したからといって、その日中に退去しなければならないわけではありません。自己都合で退職した場合でも、1~2週間程度は猶予があるケースが多くみられます。企業に解雇された場合や問題があって退職する場合でも、即座に退去を迫られるわけではなく、1~2週間程度は猶予があることが多い傾向です。
社宅の使用関係が賃貸借の場合は、借地借家法により、企業からの解約申し入れは6ヶ月前に行わなければならないとされています。一方、使用貸借にあたる場合は、契約に定められた時期に返還しなければなりません。
賃貸借は賃料を払って他人の物を利用する権利、使用賃借は無料で他人の物を借り受ける権利です。社宅の場合は、相場の賃料よりも安い賃料で住宅を借りられることが多いので、使用賃借にあたると考えられています。実際にどれくらいの期間で退去しなければならないかは、企業の社宅管理規定を確認することが必要です。
借り上げ社宅の場合はそのまま住み続けられる可能性も
借り上げ社宅の場合は、大家さんと企業の間で締結していた法人契約を大家さんと個人契約に締結し直すことで、今までと同じ住宅に住み続けられる可能性があります。個人契約になれば、家賃は100%負担になるものの、引っ越しの手間を省けます。
退職後もそのまま住み続けたい場合は、総務部などの担当窓口に法人契約を個人契約にできないか相談してみましょう。勤務先の了承が得られれば、不動産管理会社や大家さんに個人契約への切り替えが可能かを確認します。確認が取れれば、個人契約への切り替えを行いましょう。
退職したからといって社宅を即座に退去する義務があるわけではない
社宅は、企業が福利厚生の一環として、社員に住環境を優遇して貸し出す制度です。退職すると、社員としての権限を失うので社宅に居住する権利も失います。
しかし、退職して即座に退去しなければならないというものではありません。多くの場合は、社内規定や社宅管理規定などに退去までの期間が記載されているので、確認しましょう。
借り上げ社宅の場合は、法人契約から個人契約に切り替えることで家賃負担はこれまでより増えるものの、同じ住宅に住み続けられる場合があります。家庭の事情で引っ越しが難しい場合は、勤務先に相談してみるとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー