更新日: 2023.06.12 定年・退職
「早期リタイア」前に必要なお金とは?リタイアに「必要な資金」の計算方法を解説
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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早期リタイアとは?
早期リタイアの定義は、定年前に仕事を辞めて、引退することです。早期リタイアには、退職後も収入源を確保しているセミリタイアや、定年退職の年齢を待たない早期の退職を示すアーリーリタイアなど、いくつかの種類が存在します。
今後の人生設計において、自分にとってよりよい選択肢を選べるように、早期リタイアの基礎知識を身につけておきましょう。
早期リタイアに必要な資金とは?
早期リタイアするうえで必要な金額は、早期リタイアを始める年齢や方法にもよります。一部の収入源を残しておく方法と、全く仕事をしない方法では、必要な資金も大きく異なるため、自分の状況と合わせて考えるようにしましょう。ここでは、年代別に紹介していきます。
30代の場合
世帯やライフスタイルによっても異なりますが、一般的に、早期リタイアには、年間支出の25倍の貯蓄が必要といわれています。これは、前提として、貯蓄の4%利回りで生活していくと考えています。
しかし、30代での早期リタイアは非常に早いタイミングのため、さらに余裕を持った貯蓄が必要です。これから、住宅や車を購入する方も多い年代であり、その後の生活も長いため、必要な資金は、どうしても多くなります。
フルリタイアの場合は2億円程度、一部の収入を残していたとしても、最低5000万円は必要とされています。30代はまだ体力もあり、仕事をしても稼ぎやすい年齢であることを踏まえると、この時期に、無理をしてまで早期リタイアを選択する必要はありません。
40代の場合
すでに住宅を持っている方が増えて、ある程度、ライフイベントでの出費も少なくなってくるのが40代です。フルリタイアをするのならば、1億円程度あれば問題ありませんので、30代に比べて、用意する資金はかなり抑えられます。
とはいえ、1億円の貯蓄をするということは、まだ少しハードルが高いため、4000万円程度は貯金をしたうえで、多少の収入源を残しておくセミリタイアのほうが、無理のない計画になります。
50代の場合
年金受給までそう遠くない50代であれば、早期リタイアに必要な金額はぐっと下がります。フルリタイアでも、5000万円あれば十分生活ができる年代になりますので、30代や40代の頃に、無理をしてフルリタイアをするよりも現実的です。
セミリタイアとなれば、3000万円程度あれば十分になりますので、ほかの年代に比べて、実行しやすい年齢といえます。
早期リタイアのメリットとデメリット
早期リタイアをすることで、自分の時間が大幅に増えますが、その反面、注意しておくべき点も存在します。自分にとって、メリットとデメリットのどちらが大きいのか把握したうえで、無理なく早期リタイアができるように計画しましょう。
早期リタイアのメリット
早期リタイアのメリットは、なんといっても自由な時間が増えて、プライベートが充実することです。仕事に行くストレスから解放され、身体的な負担もなくなります。家族との時間を大切にできるだけではなく、持病があれば、治療に専念するということも可能です。
また、自分のやりたいことのために勉強して資格を取り、できることを増やして、新たな収入元を作るという手段もあります。
早期リタイアのデメリット
早期リタイアのデメリットは、安定した収入がなくなることです。ライフスタイルや物価の変化、住んでいる地域の災害など、想定外のことが起こったときに、対処できない可能性も考えられます。
また、定職についていないという状況は、福利厚生や厚生年金などもなくなるということを、視野に入れておく必要があります。クレジットカード審査やローン審査も通りにくくなりますので、利用する予定のある人は、要注意です。
生き方の選択肢、早期リタイア
早期リタイアは、早いうちから仕事を辞めて、自分の好きなように時間を過ごせる、魅力的な生き方です。しかし、しっかり資金計画を立てて準備をしておかなければ、余裕のある生活は難しくなります。早期リタイアを目指すのであれば、資産運用などを活用して、十分に貯蓄を殖やしてから、リタイアするようにしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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