更新日: 2023.06.15 定年・退職
定年後は今の職場で「再雇用」を考えています。「再就職」とどんな違いがありますか?
そこで今回は、再雇用と再就職がどのように異なるのか紹介します。基本的な相違点を述べた後、メリットとデメリットに着目して解説するので、この機会に把握しておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
そもそも再雇用・再就職とは? 基本的な相違点をチェック
再雇用とは、文字通り現在勤務中の勤務先に再び雇われることです。定年退職の後、企業があらためて採用するという形式をとっています。このような契約は以前から可能でしたが、労働力人口が豊富なときはあまり行われていませんでした。
しかし、高年齢者雇用安定法の改正により、令和3年4月1日から事情が大きく変わりました。事業主の努力義務として、70歳までの就業機会確保が法的に掲げられたのです。この影響を受けて再雇用制度を導入し、定年前の社員に紹介する企業が多くなりました。
一方、再就職は勤務先を辞めて、ほかの企業に就職し直すことです。定年退職以外の理由で辞めた場合も該当し、失業から就職までの期間は関係ありません。いずれにせよ、勤務先が変わるという点が再雇用との基本的な違いとなっています。
大きく異なる両者のメリット
再雇用と再就職はメリットに以下のような違いがあります。
・再雇用のメリット
なじみのある企業風土のもとで勤務を続けられます。就業場所は基本的に変わらないため、ライフスタイルの急激な変化や通勤時間の増加といった負担は生じません。無職として過ごす期間がないこともメリットであり、定年直後の就労によって持続的に収入を得られます。
・再就職のメリット
業務内容を継続せず、別の職業や未経験の仕事にチャレンジできます。新しいスキルを得たり人脈を広げたりするなど、精力的なセカンドライフを送りやすいです。豊富な実績がある場合、それを魅力的に感じた企業が、定年前より良い待遇で採用してくれる可能性もあります。
異なるデメリットに要注意
以下のように、再雇用と再就職には異なるデメリットがあるので注意しましょう。
・再雇用のデメリット
別の賃金体系が用意されており、給与収入は定年前より低下するのが一般的です。厚生労働省の資料「高年齢者雇用の現状等について」では、60歳直前の賃金と比べると61歳時点の水準は80%程度となっています。また、正社員ではなく、契約社員や嘱託社員などの雇用形態に切り替わるケースも多いです。
・再就職のデメリット
就職活動の時間を確保して、仕事を自分で探すモチベーションが必要になります。ハローワークはシルバー人材も積極的に支援していますが、それを利用してもスムーズに見つかるとは限りません。収入が途切れる事態を想定し、当面の生活費を用意しておくことが望ましいです。
違いを理解して慎重に判断しよう!
再雇用は定年後も同じ企業に雇われることであり、勤務先が変わる再就職とは根本的に異なります。メリットやデメリットにも大きな違いがあるため、混同しないように気を付けましょう。漠然と再雇用を希望しているなら、両者の相違点を把握したうえで、本当に自分に適しているのか考えることが重要です。安心できる老後を迎えるために慎重な判断を心がけましょう。
出典
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
厚生労働省 高年齢者の雇用
厚生労働省 高年齢者雇用の現状等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー