5人に1人が「老後貧困」?避けるために必要な10の注意点

配信日: 2023.07.19

この記事は約 4 分で読めます。
5人に1人が「老後貧困」?避けるために必要な10の注意点
老後貧困問題について、考えたことはありますか。後期高齢者が増える昨今、決してひとごとではありません。今回は、そんな老後貧困を避けるために欠かせない、10個の注意点を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

老後貧困の問題をデータで解説

老後貧困問題を抱える人は、どれくらいの人数がいるのでしょうか。厚生労働省発表の2021年国民生活基礎調査の結果を紹介いたします。
 

「大変苦しい」と答えた高齢者世帯は21.3%

高齢者世帯による「大変苦しい」という回答は、全体の約2割を占めていました。実に、5人に1人が、老後貧困問題を抱えていることになります。
 
反対に、「大変ゆとりがある」という回答は、全体のわずか0.7%です。老後貧困における問題の根深さが、よくわかる数値になっています。
 

「やや苦しい」と答えた高齢者世帯は29.1%

今すぐ困窮することはなくとも、安定した生活は送れていない、「やや苦しい」という回答は、全体の約3割です。「大変苦しい」と答えた方と合わせると、約半数が、老後貧困問題に直面している結果となりました。
 

前回調査との比較

2019年の国民生活基礎調査では、「大変苦しい」という回答が19.7%、「やや苦しい」という回答が31.9%でした。比較すると、「大変苦しい」という回答が2%増えており、老後貧困問題は、年々悪化をたどっていると考えられます。
 

老後貧困を避けるための10カ条

老後貧困問題を避けるには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、30代から50代にかけて、改善すべき10個の課題を取り上げます。
 

生活水準の見直し

30代、40代、50代と、年齢に合わせた生活水準の見直しは欠かせません。ギャンブルや嗜好(しこう)品の支出は控えるなど、年相応の生活ができるように、早くから改善に取り組みましょう。
 
年金生活に突入した際に、余計な浪費をしなければ、生活水準を一定に保つことができます。
 

急な出費に耐えられる貯蓄をする

年齢を重ねると、思わぬ病気にかかる可能性が高くなります。いざというときに、治療費の支払いができるように、早いうちから貯蓄をしていきましょう。
 
例えば、1週間に1回「外食をしたつもり」で貯金をするなどの方法があります。1回につき、2000~3000円という金額を貯金しますが、1ヶ月で約1万円となり、1年で12万円を貯めることができます。
 
30代のうちから始めることで、65歳を迎えるころには、300万円以上の貯蓄になります。
 

日々の固定費を見直す

携帯代や電気代などの固定費は、自分が想像している以上に、高額になっている可能性があります。早くから見直しておくことで、浮いたお金を、老後への貯蓄に回すことが可能です。
 

住宅ローンは極力使わない

マイホームを購入する場合には、住宅ローンを組む方が大半です。完済は30年以上先だからといって、安易に契約することは、老後貧困の引き金になりかねません。計画的な返済ができるように、慎重に検討しましょう。
 

子どもの教育資金を計算する

高齢出産により、子どもの教育資金が、足りなくなるケースも考えられます。日々の生活に支障をきたさないためにも、高校・大学までにかかる費用の事前計算をして、奨学金の利用も、視野に入れておくとよいでしょう。
 

年金の支払い漏れを起こさない

老後生活に欠かせない年金は、労働期間に納めていないと、満額の支給を受けられません。受給資格期間が10年未満と判断されると、年金そのものが受け取れなくなるため、日頃から忘れずに納めましょう。
 

受け取れる年金受給額を事前に知っておく

資金計画には、今までに納めた年金額から、65歳以降にいくら年金が受け取れるのかを、事前に確認しておくことも大切です。具体的な年金受給額は、政府が運営する「ねんきんネット」から確認できます。
 

積立投資を行う

年金だけでは将来が心配な方は、30代のうちから、積立投資をしてみましょう。毎月3万円程度から投資できるため、投資初心者でも、手軽に始められます。
 

不動産投資を行う

ある程度資金にゆとりがある場合は、不動産投資をしてみてはいかがでしょうか。家賃収入の場合、起こりうるリスクを軽減しながら、安定した収入が得られるため、おすすめです。
 

退職金を事前に計算する

65歳の定年退職に向けて、退職金をいくら受け取れるのかを計算しましょう。実際に受け取るときに、思ったよりも少なかったために、老後貧困問題に直面するという事態を、避ける目的もあります。
 

老後貧困を避けるための事前準備を行おう

日本で、約5割の高齢者が、老後貧困問題に直面しています。将来、自分が同じ問題に巻き込まれないためにも、今回取り上げた10個の課題に対して、しっかり準備をしていきましょう。
 

出典

厚生労働省 2021年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 12ページ
厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 16ページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集