更新日: 2023.07.19 セカンドライフ

5人に1人が「老後貧困」?避けるために必要な10の注意点

5人に1人が「老後貧困」?避けるために必要な10の注意点
老後貧困問題について、考えたことはありますか。後期高齢者が増える昨今、決してひとごとではありません。今回は、そんな老後貧困を避けるために欠かせない、10個の注意点を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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老後貧困の問題をデータで解説

老後貧困問題を抱える人は、どれくらいの人数がいるのでしょうか。厚生労働省発表の2021年国民生活基礎調査の結果を紹介いたします。
 

「大変苦しい」と答えた高齢者世帯は21.3%

高齢者世帯による「大変苦しい」という回答は、全体の約2割を占めていました。実に、5人に1人が、老後貧困問題を抱えていることになります。
 
反対に、「大変ゆとりがある」という回答は、全体のわずか0.7%です。老後貧困における問題の根深さが、よくわかる数値になっています。
 

「やや苦しい」と答えた高齢者世帯は29.1%

今すぐ困窮することはなくとも、安定した生活は送れていない、「やや苦しい」という回答は、全体の約3割です。「大変苦しい」と答えた方と合わせると、約半数が、老後貧困問題に直面している結果となりました。
 

前回調査との比較

2019年の国民生活基礎調査では、「大変苦しい」という回答が19.7%、「やや苦しい」という回答が31.9%でした。比較すると、「大変苦しい」という回答が2%増えており、老後貧困問題は、年々悪化をたどっていると考えられます。
 

老後貧困を避けるための10カ条

老後貧困問題を避けるには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、30代から50代にかけて、改善すべき10個の課題を取り上げます。
 

生活水準の見直し

30代、40代、50代と、年齢に合わせた生活水準の見直しは欠かせません。ギャンブルや嗜好(しこう)品の支出は控えるなど、年相応の生活ができるように、早くから改善に取り組みましょう。
 
年金生活に突入した際に、余計な浪費をしなければ、生活水準を一定に保つことができます。
 

急な出費に耐えられる貯蓄をする

年齢を重ねると、思わぬ病気にかかる可能性が高くなります。いざというときに、治療費の支払いができるように、早いうちから貯蓄をしていきましょう。
 
例えば、1週間に1回「外食をしたつもり」で貯金をするなどの方法があります。1回につき、2000~3000円という金額を貯金しますが、1ヶ月で約1万円となり、1年で12万円を貯めることができます。
 
30代のうちから始めることで、65歳を迎えるころには、300万円以上の貯蓄になります。
 

日々の固定費を見直す

携帯代や電気代などの固定費は、自分が想像している以上に、高額になっている可能性があります。早くから見直しておくことで、浮いたお金を、老後への貯蓄に回すことが可能です。
 

住宅ローンは極力使わない

マイホームを購入する場合には、住宅ローンを組む方が大半です。完済は30年以上先だからといって、安易に契約することは、老後貧困の引き金になりかねません。計画的な返済ができるように、慎重に検討しましょう。
 

子どもの教育資金を計算する

高齢出産により、子どもの教育資金が、足りなくなるケースも考えられます。日々の生活に支障をきたさないためにも、高校・大学までにかかる費用の事前計算をして、奨学金の利用も、視野に入れておくとよいでしょう。
 

年金の支払い漏れを起こさない

老後生活に欠かせない年金は、労働期間に納めていないと、満額の支給を受けられません。受給資格期間が10年未満と判断されると、年金そのものが受け取れなくなるため、日頃から忘れずに納めましょう。
 

受け取れる年金受給額を事前に知っておく

資金計画には、今までに納めた年金額から、65歳以降にいくら年金が受け取れるのかを、事前に確認しておくことも大切です。具体的な年金受給額は、政府が運営する「ねんきんネット」から確認できます。
 

積立投資を行う

年金だけでは将来が心配な方は、30代のうちから、積立投資をしてみましょう。毎月3万円程度から投資できるため、投資初心者でも、手軽に始められます。
 

不動産投資を行う

ある程度資金にゆとりがある場合は、不動産投資をしてみてはいかがでしょうか。家賃収入の場合、起こりうるリスクを軽減しながら、安定した収入が得られるため、おすすめです。
 

退職金を事前に計算する

65歳の定年退職に向けて、退職金をいくら受け取れるのかを計算しましょう。実際に受け取るときに、思ったよりも少なかったために、老後貧困問題に直面するという事態を、避ける目的もあります。
 

老後貧困を避けるための事前準備を行おう

日本で、約5割の高齢者が、老後貧困問題に直面しています。将来、自分が同じ問題に巻き込まれないためにも、今回取り上げた10個の課題に対して、しっかり準備をしていきましょう。
 

出典

厚生労働省 2021年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 12ページ
厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 16ページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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