更新日: 2023.07.21 その他老後
夫婦で貯蓄は「2000万円」です。これだけあれば、老後は年金だけで暮らしていけますか?
本記事では、夫婦で貯蓄が2000万円ある場合に年金だけで暮らしていけるのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
夫婦で貯蓄が2000万円以上ある世帯は3割以上?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、金融資産を持っている60歳代の2人以上世帯では、金融資産保有額は平均で2317万円、70歳代は2360万円です。
その中で2000万円以上の貯蓄がある世帯は60歳代で36.7%(2000万円から3000万円未満と3000万円以上の貯蓄がある人の合計)、70歳代で34.8%となっています。金融資産を持っている世帯の3割以上が2000万円以上の貯蓄があるようです。
しかし、中央値は60歳代が1270万円、70歳代が1200万円なので、資産を持っている世帯とそうでない世帯との差が大きいことがわかります。夫婦で貯蓄が2000万円あることは一般的には多くの貯蓄があると考えて良さそうです。
老後に必要な支出
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の2人以上無職世帯の平均支出金額は月に23万8919円です。年齢別に見ると65歳から69歳が月に28万10円、70歳から74歳が月に24万9589円、75歳以上が月に22万810円となっています。
夫婦で85歳まで生活した場合に必要な支出金額
前述の金額を例に85歳まで生活することを考えます。65歳から69歳までの5年間の累計支出金額は1680万600円、70歳から74歳は1497万5340円、75歳から85歳までは2914万6920円です。合計額は56092万2860円となります。
夫婦で85歳まで受け取れる年金額
夫婦で受け取れる年金については、日本年金機構が公表している標準的な年金額を参考に計算します。老齢厚生年金と夫婦2人分の老齢基礎年金を合計した年金額は月額で22万4482円です。この年金額は67歳以下の場合を例にしていますが、簡易的にすべての年齢の年金額として計算すると、85歳までに5656万9463円を受け取ることが可能です。
ゆとりのある老後生活を送るためには貯蓄が2000万円でも足りない
標準的な年金額を夫婦で受け取ることができれば、貯蓄が2000万円あると問題なく生活できそうです。しかし、老後は病気や介護のリスクもあり、思わぬところで支出があることも考えられます。
また、生命保険文化センターの調査によると、ゆとりのある老後生活に必要な生活費の平均は月額37万9000円です。この金額で65歳から85歳まで生活した場合は9550万8000円になります。標準的な年金額の5656万9463円と貯蓄の2000万円を合計しても約1900万円足りません。夫婦で貯蓄は4000万円必要になります。
2000万円よりも多い金額を目標に準備しておきましょう
本記事では、夫婦で貯蓄が2000万円ある場合に年金だけで暮らしていけるのかについて解説しました。平均的な支出の生活であれば、年金と2000万円の貯蓄があれば問題なく85歳まで暮らしていけそうです。
しかし、ゆとりのある老後生活を送ろうとすると、貯蓄が2000万円あっても足りません。また、病気や介護の支出については別途考える必要があります。万が一のことも考えて、貯蓄は2000万円よりも多い金額を目標に準備しておくとよいでしょう。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2022年(令和4年)平均結果の概要
日本年金機構 令5年4月分からの年金額等について
公益財団法人生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー