定年後に他会社に再就職する人は少数派? シニア人材の再就職先探しと求職活動の流れ
配信日: 2023.07.25
本記事では、シニア人材が行う求職活動がどのような流れになるかを解説します。厚生労働省のデータに基づき、定年後に同じ会社や関連会社で働き続ける人が多い現状と、他社へ転職する際のデメリットについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後の働き方:大多数は同じ会社で継続雇用
定年後の働き方について考える際、多くの人が同じ会社あるいは関連会社で働き続けるという現状を理解することが重要です。厚生労働省の「令和4年 高年齢者雇用状況等報告」によれば、定年に到達した人の87.1%が同じ会社や関連会社で継続雇用されています。
既存の職場環境や仕事内容に慣れていること、また、再就職に伴うリスクを避けたいという意識が反映されており、同じ会社の継続雇用が多くなっている傾向があります。
他社への再就職:少数派の挑戦とデメリット
一方で、他社への再就職を選択する人々もいます。しかし、その道は必ずしも平易ではありません。以下で、みていきましょう。
再就職の挑戦
他会社への再就職は、新たな職場環境への適応やキャリアの途切れなど、さまざまな挑戦を伴います。環境が変わることのストレスに加え、今までと違う仕事や覚えるという、今までにない負荷がかかることになります。
賃金の問題
特に大きなデメリットとして、賃金が減少する可能性が高く、厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、60〜64歳で転職する人の66.5%は賃金が減少するという問題に直面しています。そのため、他会社への就職ではなく、同じ会社での雇用継続が多くなっている理由の一つです。
再就職の流れと求職活動:失業手当から就職先の探し方まで
再就職を考える際には、失業手当や就職先の探し方など、知っておくべき情報があります。失業手当の申請方法や求職活動の流れなど、再就職に向けた基本的な情報を理解することが重要です。
ハローワークは求人情報の提供、職業相談、職業訓練など、求職者に対する多くの支援を提供しています。これらを活用することで、再就職の道をスムーズに進めることが可能です。以下が、一般の再就職の流れとなっています。
・失業手当の申請:失業保険に加入していた場合、雇用保険受給資格者証(離職票)をもとにハローワークで失業手当の申請を行います。
・自己分析:自分のスキル、経験、興味、価値観を理解し、どのような職種や業界に適しているかを明確にします。
・情報収集:求人情報を収集し、自分が希望する職種や業界の動向を把握します。ハローワークや求人情報サイト、業界紙などを活用します。
・履歴書・職務経歴書の作成:自己PRやこれまでの職務経歴を明確に伝えるための書類を作成します。
・応募:求人に応募します。応募方法は、ハローワークや求人情報サイトを通じてオンラインで行うことが一般的です。
・面接:企業から面接の依頼があれば、面接に臨みます。面接では、自己PRや志望動機を明確に伝えることが求められます。
・内定・採用:面接が成功すれば、内定の通知を受け取ります。内定を受け入れれば、採用となります。
・入社:入社日を確認し、新たな職場での生活を始めます。
まとめ
定年後の働き方は、個々のライフスタイルや希望により大きく異なります。同じ会社で働き続けることを選択する人もいれば、新たな職場での挑戦を選ぶ人もいます。
どちらの道を選ぶにせよ、自身の状況を理解し賃金や職務内容を考慮したうえでの判断が求められます。
出典
厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
厚生労働省 令和3年雇用動向調査結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー