更新日: 2023.07.26 セカンドライフ
夫婦2人、年金「月20万円」でも暮らしていけない!? 老後に必要な金額はどのくらい?
本記事では、年金額が夫婦で月20万円であれば老後は暮らしていけるのか、暮らしていけない場合はいくらくらい補う必要があるのか、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
そもそも夫婦で年金月20万円は可能?
まず、前提として、夫婦で年金月20万円は可能なのか、という問題があります。日本年金機構によると、2023年度における夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は22万4482円です。夫婦2人であれば、年金収入が月20万円というのはそれほど難しい金額ではないのか もしれません。
実際、国税庁が発表した2021年分の民間給与実態統計調査によると、平均年収は443万円です。22歳から60歳までの平均年収が443万円だった場合、老齢厚生年金における報酬比例部分の受給額は月額7万8919円、2023年度における老齢基礎年金の満額6万6250円を足すと14万5169円になります。妻が専業主婦だった場合でも、毎月20万円程度が平均的な額だといえるでしょう。
ただし、受給が老齢基礎年金のみになる自営業者やフリーターなどの場合、月20万円を年金だけでカバーするのは不可能です。
年金収入20万円なら、夫婦2人で生活できる?
それでは、夫婦で年金収入が毎月20万円だとした場合、それで暮らしていけるのでしょうか。
2022年に総務省が行った調査によると、高齢者の夫婦世帯における平均的な支出額は26万8508円です。仮に年金収入が月20万円だとしたら、6~7万円程度赤字になります。もちろん、これはあくまでも平均額であり、実際の支出額は生活スタイルや持ち家であるかどうかなどによります。
しかし、平均的な暮らしをする上で月20万円では足りない可能性が高いことは言えるでしょう。
事前に何らかの対策が必要
老後の暮らしにおける赤字分を埋めるために、まず考えられるのは老後も働くことです。しかし、それ以外にも、事前に何らかの対策を講じることができるかもしれません。
例えば、つみたてNISAを活用するのも1つの方法です。つみたてNISAは少額からの長期・積み立て・分散投資を支援するための非課税制度です。毎月3万円を3%の利率で運用できれば、10年後には積立額が419万2243円になります。この制度を使って老後の蓄えをふやしましょう。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)もおすすめです。iDeCoは自分で設定した掛け金を、自分で設定した期間運用し、老後に受け取れる制度です。つみたてNISAと同じく、税制上の優遇措置を受けられるのもうれしいポイントです。
そのほか、年金の繰下げ受給という方法もあります。繰下げ受給とは、受給開始年齢を本来の時期よりも繰り下げることで、受給額が月0.7%加算されるという制度です。仮に受給年齢を70歳まで繰り下げれば、42%受給額が増えます。受給額20万円の人は、28万4000円になるのです。そうすれば、平均的な支出額を年金額だけで賄えるでしょう。
年金収入が月20万円でも老後は厳しい!
夫婦で年金収入が20万円であれば、比較的平均的な額だと言えます。とはいうものの、高齢者の平均的な支出額を見ると、それだけでは少し足りなくなる可能性が高いです。
そのため、60歳で仕事をリタイアしたい人はつみたてNISAやiDeCoなどをなるだけ早く初めて対策を講じましょう。60歳以降も働くつもりの人は、繰下げ受給がおすすめです。
出典
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー