更新日: 2023.07.28 介護
介護付き有料老人 ホームとは。サービスの特長や入居時の注意点も紹介
そこでおすすめできる一つの選択肢として、介護付き有料老人ホームがあります。介護付き有料老人ホームは24時間体制で見守りや安否確認、介護などのサービスを受けられる他、食事や入浴、排泄などの介助をしてもらえます。また、医療的ケアを受けられたり、リハビリを受けられたりする施設も多いです。
本記事では介護付き有料老人ホームの概要を押さえた上で、入居条件、入居する際の注意点などについて解説していきます。本記事の後半ではおすすめの介護付き有料老人ホームを紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームとは介護スタッフが24時間常駐し、身の回りの世話や介助サービスを受けることのできる介護施設です。ただし、入居は誰もができるわけではなく、65歳以上などといった条件が設けられています。
運営は民間企業が一般的に行っていますが、運営基準や一定の設備、人員のもとで都道府県の指定を受けています。入居者の介護度などは施設によって異なり、ほとんど介護が必要ない方の多い施設、寝たきりの方や重度の認知症の症状がある方が多い施設などさまざまです。また、施設によっては介護度に関係なく、利用者が共同生活を送っています。
介護付き有料老人ホームについて詳しく解説していきます。
種類
介護付き有料老人ホームには介護専用型、混合型、自立型があります。それぞれ入居条件やサービスなどが異なりますので、入居を検討されている方は3タイプの違いについて事前にきちんと理解しておく必要があります。
・介護専用型
介護専用型に入居できる方は要介護1以上の方のみと定められています。
手厚い介護が必要な方でも問題なく生活できるようなサービスを受けられるだけでなく、緊急時にもスピーディーに対応してもらいやすいです。
・混合型
混合型は要介護認定を受けていない⽅も⼊居が認められています。施設内では自立している方も要介護認定を受けている方も一緒に生活しています。
混合型には一方は介護が必要で、もう一方は自立している夫婦であっても、同じ施設で生活できるといったメリットがあります。もちろん、入居時点では自立していた方が手厚い介護が必要になった場合にも、継続して住み続けることが可能です。
ただし、認知症の方は注意が必要です。混合型の多くが認知症の方の受け入れを行っていますが、施設によっては十分な対応ができないため断られてしまうこともあります。
・自立型
自立型は介護専用型や混合型よりも施設数は少ない傾向にあります。
介護は必要ないけれども、介護が必要になった際にも安心して生活したいという思いがある方が主に入居されています。生活の自由度が高く、設備面の充実度の高さが特徴です。ただし、費用は全体的に割高な傾向にあります。
入居費用・料金
介護付き有料老人ホームの入居費用には契約時に支払う入居一時金に加えて、毎月支払う月額費用があります。金額は施設によって大きな差があり、土地や建物、人員体制、サービス内容などによって異なります。
老人ホーム検索サイト みんなの介護「【特徴がわかる】介護付き有料老人ホームとは?(入居条件やサービス内容など)」は、当サイトに掲載されている施設のデータを参考に費用の中央値を算出しています。
図表1 介護付き有料老人ホームの料金(中央値)
入居一時金 | 月額利用料 |
---|---|
30万円 | 19.6万円 |
老人ホーム検索サイト みんなの介護「【特徴がわかる】介護付き有料老人ホームとは?(入居条件やサービス内容など)」を基に作成
人によって価格の感じ方は異なりますが、介護付き有料老人ホームの入居一時金の値段は驚くほど高額というわけではありません。中央値は30万円となっていますが、最近では入居一時金が必要ない施設や30万円以下の施設なども珍しくありません。
月額費用には介護サービス費が含まれています。介護付き有料老人ホームは介護度別の定額になっているため、将来的な費用の見通しも立てやすくなっています。ただし、介護サービスをあまり必要としない方は、サービス費用が割高に感じるかもしれません。
設備
介護付き有料老人ホームの一般的な設備として以下のものがあります。
図表2 介護付き有料老人ホームの一般的な設備
設備の種類 | 部屋の種類 |
---|---|
個人スペース | 居室 |
共有スペース | 食堂、リビング、浴室、医務室、機能訓練室 |
その他の設備 | 介護・介護職員室、厨房、洗濯室、汚物処理室 |
LIFULL介護 【はじめての方へ】介護付き有料老人ホームとは
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老人ホーム検索サイト みんなの介護 【特徴がわかる】介護付き有料老人ホームとは?(入居条件やサービス内容など)を基に作成
上記に加えて、施設によってはシアター室やテラスなどがあります。
ほとんどの介護付き有料老人ホームが入居を検討している方の見学に対応しています。見学をする際には設備についてもしっかり確認するようにしましょう。
介護付き有料老人ホームで受けられるサービス
介護付き有料老人ホームで受けられるサービスは施設によって異なりますが、以下のサービスについてはどの施設でも基本的に受けることができます。
図表3 介護付き有料老人ホームで受けられるサービス
介護 | 介護が必要な方に食事や入浴、排泄などの介助を行います。 利用者の機能の衰えを防ぐためにも、身体の状態を考慮しながら適切にサポートします。 |
健康管理・医療行為・緊急対応 | 看護師は施設によって夜間は常駐していませんが、日中は常駐しています。 服薬管理の他、体温や血圧のチェックなど、健康状態に異変がないか確認してもらえます。また、皮膚疾患や軽いケガをした際にも、その場で適切な処置を受けられます。 協力医療機関との提携によって健康診断を定期的に受けられたり、訪問診療では内科や歯科について医師の診断を受けたりすることも可能です。 その他にも、必要に応じて胃ろうなどの経管栄養、膀胱留置カテーテル・ストーマ(人工肛門)などの医療行為も受けられます。 |
生活支援 | 居室の清掃、衣服やシーツ類の洗濯などの家事サービスを行います。 その他にも、利用者の必要に応じて買い物や行政手続きなどの代行を行うこともあります。 |
食事 | 栄養バランスを考慮していることはもちろん、旬の素材を使った食事を提供してもらえます。ほとんどの施設が正月やひな祭り、クリスマスなどには、それらを実感できる献立になるよう工夫しています。例えば、年越しそばやクリスマスケーキが提供される施設は多いです。 また、利用者のアレルギーに対応している他、それぞれの好み(好き嫌い)にもできる限り対応している施設もあります。 利用者によって食べられる形状や硬さなどが異なります。嚥下機能に合わせて刻み、とろみなどにより、利用者が問題なく食べられるように配慮しています。その他にも、塩分やカロリー制限などの医療食にも対応しています。 |
リハビリ・体操 | 利用者の身体機能や認知機能を維持・向上させるために、日常的にリハビリや体操が行われます。 理学療法士・作業療法士による器具を用いた歩行訓練や筋力強化、嚥下機能維持・改善の口腔体操などのメニューがある施設もあります。 また、利用者はスキマ時間などに脳トレや園芸など、認知機能低下防止のための作業を行える施設もあります。 |
レクリエーション | 施設内でゲームや運動、手芸、カラオケなどを楽しみます。施設によっては専門講師を招き、本格的な教室が開かれます。 また、お花見や夏祭り、プチ旅行、お買い物ツアーなど、施設外で楽しむイベントが開催されることもあります。 |
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介護付き有料老人ホームに入居する条件
介護付き有料老人ホームには希望すれば誰もが入居できるわけではありません。介護付き有料老人ホームに入居するためには、65歳以上、要支援・要介護度を満たしている、集団生活を送れる、保証人・身元引受人がある、支払い能力があるといった要件を満たす必要があります。
それぞれについて詳しく解説していきます。
65歳以上
介護付き有料老人ホームに入居できる年齢条件は65歳以上となっています。
介護保険サービスが利用できる年齢は原則65歳以上となっているため、介護付き有料老人ホームの入居条件についても年齢条件が設けられています。
要支援・要介護度
介護付き有料老人ホームには要介護と認定されている方しか基本的に入居できません。要介護度の条件として、要支援1~2、もしくは要介護1~5であることが挙げられています。
施設では介護保険に基づいたサービスの提供を行っているため、要支援、もしくは要介護と認定されていることが入居条件となっています。
集団生活を送れる
介護付き有料老人ホームは利用者に個室を提供していることがほとんどですが、集団での生活が基本となります。食事やおやつはみんなで食べる施設がほとんどですし、余暇を共有スペースで過ごすこともあるでしょう。
そのため、認知症などによって集団生活を送ることに支障があると判断されると、入居が難しくなる施設もあります。特に、他の入居者に対して暴言や暴力行為がある方は、入居できる施設が限られてしまいます。
保証人・身元引受人
施設によって異なりますが、保証人や身元引受人がいることが入居の条件になっていることがあります。
入居者が長期の入院などで退去が必要になった場合や、家賃の支払いが滞った場合などに対応する人として必要とされています。
最近ではおひとりさまも増えてきています。親族がいない方は成年後見人制度や保証サービスなどを利用することになります。
支払い能力
介護付き有料老人ホームに入居する場合、入居一時金以外にも、入居している限り月額料金の支払いが発生します。
施設によっては施設の利用費用を支払う能力があるか、入居前に審査を行っています。
介護付き有料老人ホームに入居するメリット
ここまで見てきたように、介護付き有料老人ホームに入居することでサポートを受けながら、安心して生活できます。介護付き有料老人ホームに入居する具体的なメリットとしては、どのようなものがあるのでしょうか。
以下、介護付き有料老人ホームに入居するメリットについて詳しく解説していきます。
24時間体制で介護を受けられる
要介護者を対象にしたサポートにはさまざまな種類があります。例えば、訪問介護では介護士が利用者の自宅に訪問し、体調を確認したり、入浴のサポートを行ったりします。しかし、24時間体制で介護や見守りサービスを受けられるわけではないため、安全面での懸念が残るでしょう。
介護付き有料老人ホームであれば24時間体制で介護を受けられるため、事故を回避しやすくなる他、体調不良にも迅速に対応してもらえます。
食事を提供してもらえる
高齢者は買い物に一人で行けなかったり、自炊をすることが難しかったりするケースも少なくありません。また、噛む機能は年齢とともに低下する傾向にあるため、やわらかいものや細かく刻んだものしか食べられなくなってしまう方も多くいます。
介護付き有料老人ホームでは利用者に合った食事を3食提供してもらえるため、食事の心配は必要ありません。バランスや彩りに配慮した、作りたての食事を提供してもらえます。
看護師から医療的なケアを受けられる
介護付き有料老人ホームには看護師が常駐しているため、その日の状態に合ったケアを受けることができます。また、体調について不安があればすぐに相談できるため安心です。
介護度が上がっても住める
介護付き有料老人ホームは入居時から介護度が上がっても住み続けることができます。利用者の中には将来的なことを考えて、自立した生活ができるうちに入居を決める方も少なくありません。慣れた施設で暮らせることは本人だけでなく、家族の安心にもつながります。
レクリエーションやイベントがある
高齢になると自分の好きなタイミングで外出できなくなるため、生活が単調になりがちです。
介護付き有料老人ホームでは季節に合ったイベントや遠足などが開催される他、レクリエーションを日常的に楽しめます。
レクリエーションやイベントは楽しみになるだけでなく、認知力や体力の衰えを防止する効果もあります。
施設によってはリハビリを受けられる
介護付き有料老人ホームの中には作業療法士・理学療法士と一緒にリハビリを受けられる施設も少なくありません。リハビリを日常的に受けることで、認知力や体力の衰えを防止できます。
また、多くの施設が軽い体操の時間を毎日設けています。一日に数回、職員主導でラジオ体操や座った状態で足踏みを音楽に合わせて行う施設は多いと見受けられます。
介護付き有料老人ホームに入居する際の注意点
介護付き有料老人ホームの入居には注意点もあります。入居後に後悔しないためにも、注意点についても事前に確認しておきましょう。
以下、介護付き有料老人ホームに入居する際の注意点について詳しく解説していきます。
費用が割高
厚生労働省年金局が公表する「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の一カ月の年金額は男性で16万3380円、女性で10万4686円になります。
前述のように、介護付き有料老人ホームの入居には入居一時金の他、約19万円(中央値)の月額費用が必要です。
施設に入居するには多くの費用がかかるため、年金のみで入居できる施設を見つけるのが難しいという方も少なくないと考えられます。
希望している施設に入居できるとは限らない
介護付き有料老人ホームにはそれぞれ定員があります。また、少子高齢化と言われている昨今、介護職も需要に対して供給が不足しています。
入居予定日のタイミングによっては、希望している施設が定員オーバーだったり、多くの施設が定員に達しており選択肢が限られてしまったりすることもあります。
入居条件が厳しい
介護付き有料老人ホームに入居するためには入居条件をクリアしなければなりません。本人や家族は入居を希望しているものの、条件が満たず、施設に入居できないという方も珍しくないようです。
医療費控除を受けられないケースがある
医療費控除とは年間で10万円以上の保険適用後の医療費を支払った方が対象となる税金優遇制度です。
特別養護老人ホームは医療費控除が適用される一方、介護付き有料老人ホームは医療費控除の対象に基本的になりません。
ただし、施設内で受けた治療にかかった費用などについては医療費控除の対象となります。
生活に制約が生じる
介護付き有料老人ホームの中には自宅での生活に比較的近いかたちで生活できる施設もあります。
しかし集団生活となるため、人によってはプライベートがあまりないと感じたり、一目を気にして生活していると感じたりすることもあるでしょう。また、好きなタイミングで入浴したり、自分のペースで食事の時間を決めたりすることも基本的にできません。
おすすめの介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは多くあるため、どの施設がよいのか悩まれている方も多いと見受けられます。そこでここでは、おすすめの介護付き有料老人ホームを紹介していきます。
以下、おすすめの介護付き有料老人ホームについて詳しく解説していきます。
SOMPOケア
SOMPOケアは全国でケアホームを運営しています。自分の住み慣れたエリアや家族が住むエリアで施設を見付けることもできるでしょう。
施設では介護や看護といったサービスはもちろんのこと、個人のリクエストに応じた食事を提供しています。また、プライバシーが守られる居室の他、コミュニケーションが生まれる共有空間などさまざまなスペースが用意されています。
施設によっては音楽療法士などのセラピストから健康療法を受けられます。
学研ココファン
学研ココファンは全国各地で介護付き有料老人ホームの運営を行っています。施設は入居費0円、24時間スタッフ常駐となっています。また、元気な方から介護が必要な方まで入居対象者が幅広く設定されているのも特徴です。
プライバシーと安心安全が両立していながら、厚生年金受給額水準の手頃な料金設定となっています。浴槽のお湯はひとりずつ交換したり、洗面台付きの個室が用意されていたりと細やかな配慮も行き届いています。
ニチイホーム
ニチイホームが運営する施設は高齢の方も快適に暮らせるように段差のないフロアとなっている他、トイレや洗面台は車いすに配慮した設計になっています。また、24時間の見守り体制や医療機関と24時間オンコール体制で連携しているなど、看護や医療の面でも安心です。
施設内には広々とした共有スペースの他、機能訓練室・介護予防フィットネススペースもあります。身体機能や状態に合わせた介護予防運動を行い、一部のホームでは理学療法士・作業療法士によるリハビリテーションも実施しています。
認知症の方の受け入れにも積極的で、認知症に理解のあるスタッフが多く在籍しています。
ベネッセスタイルケア
ベネッセスタイルケアは26年の実績を持ち、業界トップクラスの施設の運営数を誇っています。
24時間看護職員が常駐している施設やリハビリを強化している施設、夫婦での入居が可能な施設もあります。また、認知症について正しい知識をもったスタッフが多く常駐している施設もあります。
テラスやティールームのある施設などもあるため、上質な暮らしをしたい方にもおすすめです。
サニーライフ
サニーライフは全国各地で施設を運営しています。全施設入居費無料である他、比較的リーズナブルな価格設定となっています。
全施設に看護師が配置されており、食事や水分、排泄などのチェックやバイタルチェックを日常的に行っています。
それぞれに合った食事が3食提供される他、10時にはお茶、15時にはお茶とおやつが提供されます。レクリエーションは書道や絵画の他、お花見やお祭りなどさまざまなものがあります。
まとめ
介護付き有料老人ホームに入居することで3食バランスのよい食事が提供される他、入浴や排泄など生活のサポートも受けられます。
また、専門知識を持ったスタッフが24時間常駐しているため、サポートが必要になったときや体調不良のときにも安心です。施設によっては近隣の医療機関と連携していたり、看護師を24時間配置していたりします。
その他にも、日常的なレクリエーションや季節ごとのイベントなど楽しみもあります。施設によって内容は異なるものの、歌や手芸、書道を日常的に楽しめたり、時期によってはお花見やお祭りなどを楽しめたりします。
介護付き有料老人ホームは介護度や価格によって設備や提供されるサービスなどが異なりますので、複数の施設を比較し、自分に合った施設を見つけてみてください。
出典
令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
老人ホーム検索サイト みんなの介護「【特徴がわかる】介護付き有料老人ホームとは?(入居条件やサービス内容など)
参考
【はじめての方へ】介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームの『入居条件』とは?
【データで見る】老人ホームの施設数・入居者数の推移(都道府県別・種類別)
介護付き有料老人ホームとは|サービスの特徴や費用・おすすめ施設から選び方まで解説
【特徴がわかる】介護付き有料老人ホームとは?(入居条件やサービス内容など)
全国の有料老人ホーム・介護施設はサニーライフ
【公式】SOMPOケア|ホーム見学・相談キャンペーン
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介護付有料老人ホーム|老人ホームのニチイホーム
有料老人ホームのベネッセスタイルケア
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー