更新日: 2023.07.31 セカンドライフ

少ない年金でも「高齢者向け優良賃貸住宅」に住むことはできる? 申し込み条件は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

少ない年金でも「高齢者向け優良賃貸住宅」に住むことはできる? 申し込み条件は?
若い世帯とは同居をせずに、単身や夫婦のみで生活する高齢世帯も少なくないでしょう。しかし、住んでいる自宅の設備面に不自由さを感じたり、周りに頼れる人がいないことに不安を感じたりする人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、 地方公共団体と事業者が協力して提供する賃貸住宅「高齢者向け優良賃貸住宅」について解説します。どんな賃貸住宅なのか、少ない年金でも住めるのか、申し込み条件などをまとめているので、参考にしてください。
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高齢者向け優良賃貸住宅とは?

高齢者向け賃貸優良賃貸住宅とは、高齢者が安心して生活ができるよう、配慮がされた賃貸住宅です。民間の事業者やUR都市機構などが設置、運営を行っており、一般的な賃貸住宅とは異なる、以下のような特徴があります。

●バリアフリー化されている
●住居内に緊急通報装置が設置されている

高齢者向け賃貸優良賃貸住宅の室内は、バリアフリー化によって床の段差をなくしています。その他にも、通路や出入口を広くしている、手すりを設置しているなど、転倒によるけがのリスクを回避できる配慮がされています。また、緊急通報装置が設置されているため、ケガや体調が悪くなった際にも助けを求められるので安心です。さらに、一部の施設では簡単な介助を提供するところもあります。
 

高齢者向け優良賃貸住宅の申し込み条件

高齢者向け優良賃貸住宅の申込対象は、介護を必要とせず、自立して生活ができる人、かつ以下のいずれかに該当する人を対象にしています。

●60歳以上の単身者
●申し込み者が60歳以上で同居者が配偶者の世帯
●申し込み者が60歳以上で同居者が60歳以上の親族、または申し込み者と同居が必要と認められる親族

そのほかにも、高齢者向け優良賃貸住宅のある都道府県に居住しているか、「所得~円以下」であること、など所得制限の要件を設けている自治体もあります。
 

連帯保証人を必要とする場合がある

高齢者向け優良賃貸住宅の申込条件には、収入に関する要件を含まないケースが比較的、多いです。しかし、物件によっては家賃に対して基準月収額を設けている、連帯保証人を必要とする場合があります。
 
申し込み条件は、すべての物件で一律ではないため、申し込み前に、具体的な内容を確認しておくことが必須となるでしょう。特に連帯保証人については、適した人物を見つけてから申し込むことが絶対条件です。
 

高齢者向け優良賃貸住宅にかかる費用はどのくらい?

高齢者向け優良賃貸住宅は、入居時に礼金や保証金、仲介手数料などは不要です。ただし、一般的な賃貸住宅と同様に3ヶ月分程度(数10万円)の敷金が発生する場合があり、現金一括での支払いが基本です。
 
入居開始後には、家賃と共益費、水道高熱費などの生活費に加えて、緊急時対応などのサービス費用がかかります。
 
月額家賃は物件の所在地、専有面積によって違いはありますが、郊外よりも都心のほうが価格設定は高い傾向です。同じ新築の1LDKでも、都心は20万円を超える物件があるのに対し、郊外になると家賃を10万円台、またはそれ以下に設定している物件もあります。
 

月額所得によっては家賃の減額補助を受けられる

月額所得が一定以下の場合、家賃の減額補助を受けられる場合があります。例えば、大阪府では以下の要件を満たす人は、月額2万円の家賃の減額に係る補助の対象です。

●公的制度による家賃助成を受けていない
●入居前の住宅が借家
●入居前の世帯の資産の合計額が1人当たり1000万円以下
●月額所得が12万3000円以下

受け取れる年金が少なく、高齢者向け優良賃貸住宅への入居を検討できないという人もいることでしょう。その場合、減額補助の対象になれば、年金額が少ない人でも高齢者向け優良賃貸住宅に入居できる可能性が高いです。 
 

申込条件を確認したうえで入居手続きを進めましょう

高齢者向け優良賃貸住宅は、住居内がバリアフリー化されていたり、緊急通報装置が設置されていたりするなど、高齢者が安全に暮らせる配慮がされています。申込条件に該当する必要はあるものの、高齢で生活をする際の不安軽減につながるでしょう。また、一定の要件を満たせば、家賃の減額対象となるので、年金が少ないと悩んでいる人でも入居できる可能性が高いです。
 
60歳以上で老後生活に不安を感じたら、高齢者向け優良賃貸住宅の申込条件などを確認して入居を検討してみましょう。
 

出典

大阪府 大阪府サービス付き高齢者向け住宅家賃減額補助事業
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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