更新日: 2023.08.08 介護
【公的介護保険】「介護予防・日常生活支援総合事業」って何?
その代わり、自治体が独自に行う「介護予防・日常生活支援総合事業」のサービスを受けることができます。
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/
介護予防・日常生活支援総合事業とは
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)とは、高齢者の方の介護予防と日常生活の自立を支援するサービスです。介護サービス事業者や民間企業、NPO法人、ボランティアなどがこのサービスを提供しています。
総合事業には、「介護予防・生活支援サービス」と「一般介護予防事業」があります。総合事業の具体的な内容は地域によって異なります。このサービスを利用したい方は、地域包括支援センターにどのようなサービスを利用できるか相談するとよいでしょう。
介護予防・生活支援サービス
介護予防・生活支援サービスは、生活機能の低下がみられる方向けの介護予防事業です。対象者は、要支援1・2の方と基本チェックテストにより介護予防・生活支援サービス事業対象者となった方です。
基本チェックリストは、全25項目の質問で構成されていて、「はい」か「いいえ」に〇をつけて回答し、運動機能の低下、低栄養状態、口腔機能の低下、閉じこもり、認知機能の低下、うつの可能性を計るものです。生活機能の低下のおそれがある高齢者を早期に把握し、総合事業へつなげることにより状態悪化を防ぎます。
介護予防・生活支援サービスでは「訪問型サービス」や「通所型サービス」、栄養改善を目的とした配食や見守りなどの生活支援サービスを利用できます。この事業は地域包括支援で介護予防ケアプランを作ってもらい利用します。
訪問型サービスでは、要支援者等に対し、掃除、洗濯、外出、入浴等の日常生活上の支援や見守り的援助(身体介護)が提供されます。
【表1:訪問型サービスの1ヶ月あたりの自己負担(1割)の目安】
通所型サービスでは、デイサービスセンターで要支援者等に対し、機能訓練や集いの場など日常生活上の支援が提供されます。
【表2:通所型サービスの1ヶ月あたりの自己負担(1割)の目安】
一般介護予防事業
一般介護予防事業は、65歳以上のすべての方、およびその支援の活動に関わる方向けの介護予防事業です。
高齢になると、加齢により心身が老い衰えた状態(フレイル)になり、放置しておくと生活機能が低下し、将来、介護状態になるリスクがあります。しかしフレイルは、早く介入して適切な対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性があります。
一般介護予防事業では、対策として、体力維持のための健康体操教室や栄養、口腔、認知症予防に関する講座、パネル等の展示や体験ができるイベント、人とつながることに結び付くコーラスや手芸教室など、いつまでもいきいきと元気に生活するためのサービスが提供されます。ぜひ活用しましょう。
出典
厚生労働省老健局振興課 介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン(概要)
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。