更新日: 2023.08.15 セカンドライフ

「65~69歳」の就業率は50%超え! 健康寿命を延ばせば「年300万円の損失」を防げるって本当? 4つの具体的アクションを解説

執筆者 : 入船みみ

「65~69歳」の就業率は50%超え! 健康寿命を延ばせば「年300万円の損失」を防げるって本当? 4つの具体的アクションを解説
65~69歳の就業率は2021年の「労働力調査」で初めて50%を超え、1年で平均約300万円(2022年度)を賃金として得ています。さらに70歳以上の就業率は18.1%となっており、70歳以上のおよそ5人に1人が働く時代になりました。
 
一方で、日本人男性の健康寿命は平均72歳です。生活のためや生きがいのために長く働くことを考えると、健康を保つ重要性はますます高まっているのではないでしょうか。
 
本記事では「年300万円の価値」を持つとも言える健康寿命を延ばすために、今からできることについて解説します。

「健康寿命をのばそう」4つの具体的アクション

厚生労働省は「健康寿命をのばそう」をスローガンに掲げ、国民全体の健康づくりをサポートするスマート・ライフ・プロジェクトという運動を進めています。その中の4つの柱、運動・食生活・禁煙・健診/検診について、厚生労働省が推奨する生活の中でできる取り組みを紹介します。
 

毎日プラス10分の身体活動をする

歩くことは生活習慣病の予防に効果があり、そのためには男性で1日9000歩、女性は1日8000歩が目安と言われています。平均的な歩数を考えると、不足分はあと1000歩ほどです。
 
オフィスワークや在宅勤務などであまり歩いていないという人も、まずは今よりも1000歩増やすことから始めてみてはいかがでしょうか。苦しくならない程度の早歩きを10分行う、ひと駅分10分だけ歩く、車を使っていた近所への外出を徒歩に変えてみるなど、生活スタイルに合った運動習慣を取り入れてみてください。
 

1日あと70gの野菜をプラスする

生活習慣病予防には1日350gの野菜摂取が推奨されています。しかし、実際に日本人の野菜摂取平均は280gと推奨量に比べ70g不足しています。この差を補うには、いったいどの程度の野菜を食べると良いのでしょうか。
 
具体的には、トマト半分、野菜炒め半皿分、温野菜小皿ひとつ分が野菜70gに相当します。朝食や夕食に少しプラスするところから始めてみると良いでしょう。
 

禁煙でたばこの煙をマイナス

たばこは生活習慣病やがんの原因になるほか、認知症のリスクを2~3倍に高め、脳卒中や骨折により要介護の状態になりやすいこともわかっています。禁煙は認知症や寝たきりを予防することにもつながるため、禁煙外来を活用するなど無理なく禁煙に取り組んでみてください。
 

健診/検診で定期的な健康チェック

いわゆる健康診断は勤務先などで受検するケースが多いですが、日本人の死因1位である「がん」の検診は十分に受けることができているでしょうか。
 
40歳以上の男女ともに毎年「肺がん・胃がん・大腸がん」の検診を、女性は20歳以上で2年に1度「子宮頸がん」、40歳以上で2年に1度「乳がん」の各検診を受けることが推奨されています。
 
早期発見・早期治療により、死亡率の減少や楽な治療で完治をめざせるといったメリットがあるため、誕生月には毎年検査を受けるなど、自分なりの健康管理ルーティーンを作ることをおすすめします。
 

毎日少しの心がけで働ける体づくりを

人生100年時代ともいわれますが、健康寿命を長くすることが人生の充実や幸せにつながります。また、60代後半で働いている人が平均300万円を賃金として得ていることから、60代後半の健康には年間300万円の価値があると表現することもできます。
 
毎日少しずつの運動や食事、定期的な検診を継続することで、働きたいときにしっかり働ける体づくりを今から始めてみましょう。
 

出典

総務省統計局 統計統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- 2.高齢者の就業
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト
 
執筆者:入船みみ
FP2級

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