定年後の再雇用で「90万円」年収が下がる!?「高年齢雇用継続基本給付金」で補てん可能? 産業別の年収も紹介
配信日: 2023.08.26 更新日: 2023.08.28
そこで本記事では、定年後に再雇用された場合に年収がいくら下がるのかについて解説していきます。60歳以降の産業別年収についても紹介するので参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年は60歳が基本的
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律によって、近年は高齢者でも働きやすくなっています。具体的には60歳以降の再雇用制度を取り入れたり、定年を65歳に引き上げたりする企業が増えました。定年制を廃止している企業もあります。
厚生労働省の調査によると、調査対象の企業の70.6%が継続雇用制度を導入しており、「60歳定年で再雇用制度を導入」といった措置をとっている企業が多いようです。また、定年を60歳から引き上げた企業は25.5%、定年制を廃止した企業は3.9%となっています。
65歳以降も継続して雇用される制度を導入している企業もあるので、今後も高齢者が働きやすい環境は整備されていくことが予想されます。
再雇用された場合は年収が下がる
多くの企業で定年が60歳だと考えると、50代の賃金と60歳以降の賃金を比較することで再雇用された場合にどれだけ賃金が下がるのか予想できます。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、令和4年の平均賃金は55歳から59歳までが月37万円、60歳から64歳までが月29万5600円で、7万4400円も賃金が下がることになります。年収換算すると約90万円も下がってしまうので、生活費の見直しが必要になるかもしれません。
また、65歳から69歳までの平均賃金は月25万7600円、70歳以上は月23万8100円です。
60歳以上の産業別の平均賃金
60歳から64歳までの平均賃金を産業別に見ると、最も高い賃金は「教育、学習支援業」で月46万2900円です。次いで「学術研究、専門・技術サービス業」が月39万9300円、「建設業」が月35万4700円、「情報通信業」が月35万1600円と続きます。
55歳から59歳までの賃金が、60歳から64歳までの賃金と比べて月10万~20万円も下がってしまう産業も少なからずあります。年収換算だと120万~240万円下がることになるので、大きな差です。再雇用を選択する際は、賃金がいくらになるのかも確認するようにしてください。
賃金が低くなった際は「高年齢雇用継続基本給付金」を受け取ることも考えましょう
60歳時点の賃金と比べて、60歳以降の賃金が75%未満まで下がった場合は、要件を満たすと、「高年齢雇用継続基本給付金」を受け取ることができます。高年齢雇用継続基本給付金は賃金が著しく下がってしまった高齢労働者に対して、賃金を補てんするための給付金です。賃金の低下率が61%以下の場合は支給率は15%となります。
定年後の働き方は再就職と再雇用がありますが、職場環境や人間関係の変化が少ない点から再雇用を選択する人も多いでしょう。しかし、同じ仕事内容でも賃金が下がってしまうことが多いので、まずは勤務先に確認してください。賃金が大きく下がる場合は高年齢雇用継続基本給付金を受け取れる可能性があるので、ご自身が対象になるのかを調べることをおすすめします。
出典
厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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