母の年金額は「7万円」です。娘の私が援助できなければ、「生活保護」を受けてもらうべきでしょうか…?
配信日: 2023.09.06 更新日: 2023.09.07
今回は、1ヶ月あたりの年金額が「7万円」の母親を例に挙げて、娘が援助できない場合に生活保護を受けるべきかについて解説します。あわせて、生活保護の要件や手続きの流れも紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
65歳以上単身世帯の1ヶ月あたりの平均支出は?
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月あたりの消費支出は「14万3139円」です。
つまり、年金額7万円ということは1ヶ月あたり「約7万3139円」も不足していることになります。貯金があれば、切り崩して不足分に充てることができますが、貯金がない人も少なくありません。そうした場合は、生活保護制度を利用することも選択肢の1つです。
生活保護制度とは?
生活保護制度とは、生活が困窮している人に対して「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」という国の制度です。生活保護は、世帯単位で行うため、世帯員全員が資産や能力などを最低限度の生活を行うために使わなくてはなりません。また、年金や手当など他の制度を受けられる場合は、生活保護の前に優先します。さらに、親族などから生活の援助を受けられる場合は、援助を受ける必要があるのです。
これらを行っても、世帯収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費と比べて収入が少ない場合は、生活保護を受けることができます。支給される生活保護費は、「厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費-年金・手当などの収入」です。
生活保護を受ける際に、年金を受給しているかどうかは関係ありません。年金額が厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費よりも低ければ、生活保護を受けることが可能です。
生活保護の手続きをする前に、まずは住んでいる地域の福祉事務所の生活保護担当に相談をします。相談を受けて、生活保護担当が資産調査、実地調査、扶養の可否の調査などを行った結果、生活保護を受けられるかどうかが決まるのです。
生活保護が決まっても、受給している間は、毎月、収入状況を申告しなくてはなりません。また、年に数回、福祉事務所のケースワーカーが自宅を訪問し、調査を行います。
申請する際には、福祉事務所が用意した申請書に「氏名」「住所または居所」「保護を受けたい理由」「資産及び収入の状況」などの必要事項を記入しなくてはなりません。場合によっては、世帯の収入や資産などの状況がわかる資料として、通帳の写しや給与明細などが必要になることもあります。
年金受給中でも生活保護の利用は可能
総務省が公表している2022年の家計調査によると、65歳以上の単身無職世帯における1ヶ月あたりの消費支出は14万3139円です。1ヶ月の年金額が7万円のみの場合は「7万3139円」不足となり、生活保護の受給も検討できる水準といえます。
生活保護は、年金額が厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費よりも低ければ受けることが可能です。親族からの支援を受けられず生活が苦しい場合は、生活保護の利用を検討してみましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要
厚生労働省 生活保護制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー