更新日: 2023.09.20 セカンドライフ

老後2人の平均生活費は23万円? 年金以外の収入源を確保するために50歳の今からやっておきたいこと

老後2人の平均生活費は23万円? 年金以外の収入源を確保するために50歳の今からやっておきたいこと
老後の暮らしを安定させたいなら、収支がマイナスにならないように気を付ける必要があります。
 
そのためには、生活費がどれくらいかかるのか把握しなければなりません。支出を年金だけでまかなえないなら、ほかの手段によるカバーが不可欠です。
 
本記事では50歳の夫婦を想定し、年金以外の収入減を確保するために、この年齢から行える取り組みを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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まず生活費の目安をチェック

まずは、老後にかかる生活費の目安を知ることが最初に必要な取り組みです。生命保険文化センターは、令和4年度の生活保障に関する調査結果を発表しました。調査結果には、2人の老後に必要だと考える日常生活費も含まれており、その最低額の平均は23万2000円でした。
 
また、総務省が作成した令和4年の家計調査年報には、65歳以上の夫婦からなる無職世帯の支出の情報が載っています。これによると、消費支出の平均は23万6696円で、非消費支出の平均は3万181円でした。
 
これらの合計は26万6877円です。生命保険文化センターの調査結果より3万4877円高くなっています。したがって、大まかな目安として、23~27万円ぐらいの生活費は必要と考えておきましょう。
 
ただし、あくまでも最低額を基にした目安なので、これだけ支出があっても生活水準が高いわけではありません。生命保険文化センターの調査によると、ゆとりのある老後に必要な生活費の平均は37万9000円となっています。
 

どれくらい不足しそうか計算

次の取り組みとして、受給する年金と老後の生活費の差額を算出します。差額が分かっていると、どの程度の収入源が必要なのか判断できます。令和5年の国民年金の月額は満額で6万6250円であり、2人分だと13万2500円になります。生活費を23~27万円と見積もると、月々10~14万円の程度のマイナスが生じます。
 
また、同年の厚生年金に関しては、22万4482円が夫婦の国民年金を含む標準的な金額です。この場合、年金収入だけで上記の生活費の8割以上をまかなえます。ただし、ゆとりのある老後に必要な37万9000円には遠く及ばないのが実情です。
 
このように、2人の年金の種類や希望の生活水準によって、収支の差額の見通しは異なります。どれくらい足りないのか把握したら、それをカバーする具体的な方法を検討しましょう。
 

再雇用に向けた準備や資産運用のスタート

不足しそうな金額が大きいなら、定年後も働いて収入源を維持し続けるのが得策です。高齢の就業者は増加傾向にあり、シルバー人材を頼りにしている職場も少なくありません。厚生労働省により令和3年に施行された高年齢者雇用安定法の改正によって、再雇用制度を取り入れる企業が増えました。
 
このように間口は広くなりましたが、雇ってもらえるのは企業にとって有益な高齢者だけです。定年後に任される役割りをイメージし、そのポジションで役に立つノウハウを検討しましょう。それを50歳という早い段階から着実に習得していくと、再雇用の対象になる可能性が高まります。
 
一方、不足しそうな金額が小さいなら、資産運用でおぎなえるケースもあります。とはいえ、リスクが高い投資に手を出して、老後用の資金を減らすわけにはいきません。
 
資産運用の経験がないなら、NISAやiDeCoといった国が推奨する制度を利用したほうが安全です。50歳の人はどちらの制度でも申し込めます。これらは税制の優遇措置を受けられるため、その分だけ実質的に収入が増えることもポイントです。
 

早期の対策で将来のリスクを軽減しよう!

老後、定年直前になって、生活費が不足することに気づいてもすぐには対応しにくいでしょう。このリスクを減らしたいなら、年金以外の収入源を早めに見つける必要があります。
 
それを実現するには、老後の収支について見通しを立てなければなりません。50歳の時点で済ませておけば、再雇用の準備や資産運用など、余裕をもって適切な対策を実践しやすくなるでしょう。
 

出典

公益財団法人 生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
厚生労働省 高年齢者雇用安定法 改正の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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