更新日: 2023.09.28 その他老後

義両親が老後のお金に困っています。うちの家族も余裕がないのですが、なにか手段はないでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

義両親が老後のお金に困っています。うちの家族も余裕がないのですが、なにか手段はないでしょうか?
生鮮食品や日用品、ガソリンなど生活に必要なさまざまな商品やサービスの値上げが続いています。一方で給与など収入の増加率は値上げのペースに追いついておらず、家計は苦しい状況に置かれているといえるでしょう。
 
こうした苦しい家計状況は現役世代だけでなく、年金を主な収入源とする高齢者の世帯でも同様です。

苦しい家計状況にあるのが義両親など、近しい人や親しい人である場合、なんとか支援したいと思うものです。しかし自身の世帯の家計も苦しい場合は、実質的に支援するのは難しいでしょう。本記事では、こうした場合に利用できる制度を紹介します。
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高齢者世帯も子育て世帯も半数は苦しい家計状況に

実際の高齢者世帯の暮らしぶりは、どのような状況にあるのでしょうか。厚生労働省は国民生活基礎調査の中で、世帯ごとの意識調査を行っています。
 
調査によると、高齢者世帯の30.2%がやや苦しい、18.1%が大変苦しいと答えており、合わせると約半数の世帯が「生活が苦しい」という意識を持っているようです。
 
義両親の世帯が経済的に苦しい状況にあるなら、何らかの支援を行いたいものですが、実は現役世帯の方が苦しい経済状況に置かれているかもしれません。
 
同調査では、児童のいる世帯の54.7%が「生活が苦しい」と回答しており、高齢者世帯と同じくらい、またはそれ以上に苦しい家計の状態が想像できます。
 

直接支援以外に義実家を支援する方法

義両親の世帯が経済的に苦しい状況にあり、自身の世帯も支援するほどの余裕がない場合は国や地方自治体が運用する制度を利用することをおすすめします。例えば、以下のような制度を利用できる可能性があります。


・生活福祉資金貸付制度
・求職者支援制度
・年金生活者支援給付金
・介護保険における住宅改修

 

・生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得者・高齢者・障がい者の生活を経済的に支えることを目的にする制度です世帯の年収が一定以下であることなどの要件を満たすことで、生活支援費として2人以上の世帯で最大20万円を借り入れられます。
 
ほかにも住宅入居費や一時生活再建費など、さまざまな種類の貸し付け制度があるので困った場合は制度を確認してみましょう。
 

求職者支援制度

求職者支援制度とは、雇用保険を受給できないなど、一定の要件に合致する人を対象として、給付金を受給しながら職業訓練を受けて再就職や転職を支援する制度です。月々10万円の職業訓練受講給付金の支給に加えて、通所手当や寄宿手当を受給しながら、新たな就職先を探すことができます。
 

年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、65歳以上の老齢基礎年金受給者であることや、前年の年金、その他所得の合計額が87万8900円以下であることなどの条件に合致する人を対象に、定められた計算式で算定された金額が支給される制度です。厚生労働省のホームページでは、月額5140円が支給される例が示されています。
 

介護保険における住宅改修

介護保険では、要介護者が自宅に手すりを取り付けるなどのリフォームを行う場合に、改修費の9割相当額、18万円を限度に改修費用が補助されます。家計が苦しくても、高齢にともなう身体能力の低下に対応する住居のリフォームは必要です。こうしたケースでも、補助金を利用できることを認識しておきましょう。
 

まとめ

自身の家計が苦しい場合でも、義両親の家計が苦しい状況を見ると支援の手を差し伸べたくなるものです。
 
しかし無理をして支援を行っても、双方の家計が破綻(はたん)することになりかねません。国や自治体が行う制度を利用して、自身の家計に負担をかけることなく義両親の家計をサポートしましょう。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況
全国社会福祉協議会 福祉の資金(貸付制度)
厚生労働省 求職者支援制度のご案内
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
厚生労働省 介護保険における住宅改修
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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