40歳派遣社員、「月収25万円」で一人暮らしです。老後は不安ですが、「生涯現役」で働き続ければ大丈夫ですか?
配信日: 2023.10.01
本記事では、現在40歳で派遣社員として働き、毎月25万円の給料をもらっている場合、生涯現役で働き続けたら老後不安は解消されるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
実質賃金は下がり続けている
厚生労働省が実施する「毎月勤労統計調査」は労働者の現金給与総額や実質賃金などが公表されており、景気動向をあらわすデータの1つとして話題になることも少なくありません。
2023年7月分結果確報時点で物価変動などを考慮した実質賃金は前年比マイナス2.7%となっており、2022年4月から16ヶ月連続で前年割れとなっています。
たとえ給料が増えたとしても、物価上昇に加えて税金や社会保険料の負担増加に追いつかず、実質的に私たちが使えるお金は減り続けていることが分かります。
今後どのくらい生活費がかかる?
現在月25万円でひとり暮らしをしていて、今後も生活していけるのかを考えるうえで、「今後どのくらい生活費がかかる可能性があるのか」を把握する必要があります。
総務省統計局が公表している2022年の家計調査報告(家計収支編)によると、単身世帯の消費支出は1世帯あたり平均で16万1753円となっています。65歳以上の単身無職世帯の家計収支をみると、消費支出は14万3139円、非消費支出は1万2356円で合計15万5495円です。年齢や自身の状況などによって変わるものの、最低でも15万~20万円前後はかかる可能性が高いことが分かります。
これだけ見ると「月25万円あれば貯金もできるから問題ない」と思うかもしれませんが、病気やけがなど想定外の事態が発生する可能性もゼロではありません。通院や入院の影響で働きたくても働けず、収入が減ってしまうおそれもあります。
これからも働ける保証はない
病気やけがだけでなく、今回の派遣社員のように非正規雇用で働いている場合は特に「これからもずっと働ける保証はどこにもない」ことを常に意識する必要もあります。
例えば、派遣社員の場合は2015年に労働者派遣法が改正され、同一事業所に派遣できる期間は原則3年までとなりました。つまり同じ事業所で3年を超えて働くことはできません。3年を超えて働くには異なる課へ異動する必要があります。
派遣先に直接雇用を打診され、契約社員やエリア限定社員などを経て正社員を目指すルートを進むパターンもありますが、希望者全員が必ず最終的に正社員になれるとは限りません。派遣社員などの非正規雇用の場合「いつか契約が切れるリスク」は常に存在すると考えておいたほうがよいでしょう。
いま派遣社員として働いて月収25万円あり、生活も全く問題なかったとしても今後も働き続けられるとは限らない点に注意する必要があります。
まとめ
今回は40歳でひとり暮らしをしている派遣社員が月25万円の給料で今後も生活していけるのか、老後不安は生涯現役で働き続けると解消されるのかを解説しました。
現在の収入で十分生活できるとしても、場合によっては契約終了で「働きたくても働けない」状況が発生するかもしれません。突然仕事を失って路頭に迷うリスクを軽減するためにも、正社員としてさらに待遇の良い会社へ転職するか、「派遣社員+自営業者」のような形で副業を行うなど、全体的な収入の底上げを検討してみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年7月分結果確報
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー