更新日: 2023.10.04 セカンドライフ

65歳以降も「アルバイト生活」するべき?定年後に働かずに済むのはどんな人?

執筆者 : 柘植輝

65歳以降も「アルバイト生活」するべき?定年後に働かずに済むのはどんな人?
長い目で人生を考えたとき、定年退職し、年金を受け取る65歳以降も無理のない範囲で働いた方がいいのではないかと悩むこともあるでしょう。
 
そこで、65歳以降もアルバイトやパートで働くべきなのか、働かずに済むのはどんな方なのか、老後も就労するメリットとあわせて考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

65歳以降も働かずに済むのは年金と貯蓄で生活費を賄える方

定年を迎えた65歳以降も働かざるを得ない状況としては、生活費などの支出について、年金と現役時代に蓄えてきた貯蓄で賄えない場合があります。
 
総務省統計局の家計調査年報(2022年)によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の平均的な支出は26万8508円で、単身者では15万5495円となっています。
 
夫婦2人分の平均的な年金額(社会保障給付)は月22万418円となっているので、年金収入のみで生活する65歳以上の夫婦2人世帯では、毎月4万8090円、年間では57万7080円が不足することになります。
 
夫婦で90歳まで生きると仮定した場合、65歳からの25年間での不足分の総額は1442万7000円です。
 
そのため、65歳以降で老後として想定される期間の支出について、年金と貯蓄で賄えるかどうかが就労を検討する上でのひとつの基準となり、年金収入のみでは不足する分を貯蓄など老後資金で補てんできるのであれば無理に働く必要はないといえるでしょう。
 

アルバイトなどで働いた方が老後の生活は安定する

老後は年金と貯蓄で生活していくことができそうな場合でも、アルバイトやパートで働いた方が生活はより安定します。
 
例えば時給1000円で週4日、1日5時間のアルバイトで働くと月に8万円の収入となります。65歳以上で平均的な年金額を受け取れる夫婦の場合、年金とアルバイトの収入を合わせると家計が黒字となり、働ける間は年金だけでは不足する生活費を補えると考えられます。
 
65歳以降も人生は続いていきます。その間に物価の上昇による実質的な資産の減少のほか、病気やけがで大きな金額の支出が生じるなど、突発的にお金が必要となることもあります。
 
特に近年は物価高が続いています。不測の事態に備えるためにも、アルバイトなどで毎月収入を得ることには一定の有効性があるでしょう。
 
また、年金受給中の方が65歳以降にアルバイトやパートといった短時間労働を行う場合でも、労働時間や月額賃金など一定の要件を満たすことで厚生年金に加入し、年金の受給額を増やすことができます。
 

老後の就労には収入を増やす以外のメリットもある

老後に懸念されるのはお金の問題だけではありません。特に趣味もなく、毎日をほぼ家だけで過ごしていると、社会的に孤立してしまうことや、体力の低下が著しく進むほか、認知症の発症が早まることもあるようです。
 
就労によって社会とのつながりや人間関係のほか、健康や認知機能を維持できるなど、収入を増やす以外のメリットもあります。
 
定年後、家にこもりがちの生活になりそうというのであれば、生活費などの不安がなくても週に数回、短時間のアルバイトをするのもいいでしょう。
 

まとめ

65歳以降も働かずに済むのは金銭面の不安だけでなく、社会的孤立などの問題をクリアできる方でしょう。
 
逆にアルバイトやパートで働いた方が良い例としては、年金と貯蓄だけでは65歳以降の生活が難しい場合のほか、生活をより安定させたいといったケースが挙げられます。
 
また、金銭面以外でも老後の孤立などに対して不安がある場合、短時間でもアルバイトとして働くことで不安が解消され、より充実した生活を送ることができるかもしれません。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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