更新日: 2023.10.10 その他老後
父の継続雇用が今年度で終わります。年金は月15万円程度らしいのですが生活費は足りるのでしょうか?
本記事では年金が15万円の場合に生活ができるのか検証します。参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年金受給者の家計収支はどれくらい
年金15万円で生活が可能かどうかを検証するためには、年金受給者の家計収支を把握する必要があります。特に、年金受給者の支出額が重要なポイントです。家計収支については政府が統計を公開していて、年齢別や勤労・無職世帯別に確認できますが、統計はあくまで平均となります。地域や住居費の有無によって支出は変わるので、自分の状況に合わせて修正しましょう。
65歳以上の無職世帯の家計収支
2022年度の政府による家計調査(家計収支編)によると、公的年金の受給年齢である65歳以上の世帯の家計収支は以下のとおりです。2人以上の世帯と単身世帯に分けて解説します。
●消費支出:23万6696円
●収入:24万6237円
上記の平均値だけで判断すると、明らかに公的年金だけでは生活費は不足しています。まして、世帯主の年金が15万円では2人以上の世帯は暮らしていけないという結論になります。
一方で単身世帯の場合の収支は以下のとおりです。
●消費支出:14万3139円
●実収入:13万4915円
単身の場合は年金収入が15万円あれば、かろうじて支出を上回るようにみえますが住宅事情などはそれぞれですので充分とはいえないでしょう。
これらはあくまで生活費ですが、それ以外の急な出費に備える必要があります。2人以上の世帯でも支出を少しでも減らしたり、収入を多くしたりすることで、15万円でも生活できる方法はあります。なお、上記の金額はあくまでも全国平均であって、地域の事情によって大きく違うという点にも留意しましょう。
年金だけでは生活費が不足する場合の対処方法
年金収入だけでは生活費が不足する場合は、事前に年金以外の資産形成をすることが望ましいでしょう。しかし、資産形成以外の対処方法もあります。考えられる対処方法には以下のものがあります。
◆継続雇用後も働く
継続雇用が終了後に、その会社では働けなくても、ほかに65歳以上でも働ける職場を探すことで、収入および受けとれる年金額も増やせます。原則70歳まで厚生年金に加入できますが、それ以降も勤務先が認めれば任意加入が可能です(高齢任意加入)。
◆自宅を処分して賃借する(リースバック)
持ち家の場合は、自宅を売却後に賃借してそのまま住み続けられるリースバックが利用できます。メリットは以下のとおりです。
●まとまった現金が手元に残る
●家賃が発生するが住宅ローンや固定資産税の支払いがなくなる
●引っ越しの必要がない
◆生活費の節約
生活費の中でも毎月かかる固定費を節約することで、支出を減らすことができます。例えば、電気料金はプランを変えるだけでも節約が可能です。また、家賃の引き下げ交渉ができれば、大きく固定費を減らせるでしょう。
月15万円の年金では生活費は不足する可能性が高いので自分にあった対策をしよう
月15万円の年金では、単身での生活は可能ですが、2人以上の世帯では生活費としては不足します。年金受給まで時間的な余裕があれば、積み立てなどの資産形成で対策をしておきましょう。
しかし、時間的余裕がないケースでも70歳以上で働くことは可能です。リースバックを利用して資産を現金にかえたり、生活費を節約したりと方法はあります。自分に合っている対処法を見つけ出して実行してみましょう。
出典
e-stat 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2022年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
日本年金機構 70歳以上の方が厚生年金保険に加入するとき(高齢任意加入)の手続き
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー