更新日: 2023.10.19 その他老後

退職金も貯蓄もない、年金だけで暮らす「老後貧乏」にならないために必要なこと

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

退職金も貯蓄もない、年金だけで暮らす「老後貧乏」にならないために必要なこと
人生100年時代といわれている現代において、十分な退職金や貯金も望めず、少ない年金だけで生活するのは難しいとされています。今回は、100歳まで生きると仮定した場合、60~100歳までに必要な生活資金について、老後貧乏にならないための対策とともに解説します。
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老後生活が不安でも対策できず…その先は老後貧乏!?

公益財団法人生活保険文化センターが公表している「2022年(令和4年)年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、老後生活に対する不安を抱く人は82.2%であるとのことです。
 
また、老後の生活が困難になり、生活保護制度を利用する方もいらっしゃいます。
 
厚生労働省の「生活保護の被保護者調査」によると、2023年1月の時点で生活保護を受けているのは202万4421人(164万5069世帯)です。そのうち高齢者世帯は90万4861人で、被保護世帯の55.3%に当たります。
 
定年退職後は現役時代よりも収入が大幅に減ってしまうため、老後に生活が苦しくなったり、生活保護に頼らざるを得なかったりする方が一定数いるようです。
 

100歳まで生きるとすると老後資金はどれくらい必要?

公益財団法人生活保険文化センターが公表している「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、夫婦2人の老後の最低日常生活費は平均で月額23万2000円とのことです。また、ゆとりのある老後生活を送るには、平均で月額37万9000円が必要であるとの結果も出ています。
 
100歳まで生きると仮定すると、60歳から100歳までの40年間で最低でも1億1136万円、ゆとりが欲しければ1億8192万円が必要になります。
 
老後資金をまかなう手段として挙げられるものの一つが、公的年金です。ただし、年金だけでは十分にまかなえないため、預貯金や退職金にも頼らざるを得ません。しかし、それでも老後生活をまかなう十分な資金が得られない可能性があります。
 
金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、高齢夫婦無職世帯の場合、毎月の赤字額は平均約5万円あるとのことです。
 
約5万円の赤字が毎月発生すると、20年で約1200万円、30年で約1800万円が不足する計算です。しかし、これはあくまでもモデルケースでの老後資金の不足であり、実際は人によって異なります。
 
超高齢化社会への突入が予想される中、改めて老後資金について真剣に考える必要があるといえます。
 

老後貧乏にならないための対策

老後貧乏は、現役時代の年収にかかわらず誰にでも起こり得る問題です。対策としては、以下のポイントが挙げられます。
 

・定年後も元気であれば仕事を続ける

定年後すぐに年金生活をするのではなく、元気なうちは仕事を続けて資産を着実にためていきます。60歳以降も働いて厚生年金に加入し続けることで、老齢厚生年金が増やせるでしょう。仕事で適度に体を動かすことで、健康を維持して医療費などの出費を防ぐことも期待できます。
 

・家計を見直す

収入に見合う生活レベルを保つため、家計を見直すことも大切です。水道光熱費・通信費・生命保険料などを節約できれば、支出を大きく抑えて貯金額を増やせます。家計の見直しや節約術を今から身に付けておくことで、老後に備えられるでしょう。
 

・公的年金以外の収入源を確保する

銀行預金はほとんど増えることがないと言われているため、NISAやiDeCoなど税金面で優遇を受けられる制度を活用して資産運用を行います。株・債券などの金融資産や、不動産投資で不労所得を得られるよう準備しておくのもよいでしょう。
 

老後貧乏にならないために早めに対策を始めよう

老後生活を貯蓄や年金でまかなえなくなると、老後貧乏に陥る可能性が出てきます。
 
今は十分な収入が得られていたとしても、定年後は収入が大幅に減少するため、老後貧乏は誰にでも起こり得る問題です。
 
収入に見合った生活レベルを保てるよう、家計の見直しや節約を今からでも行う必要があるでしょう。将来の年金受給額を把握して、不足分をおぎなう手段を考えておき、老後貧乏にならないために早めに対策を始めましょう。
 

出典

公益財団法人生活保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)

厚生労働省 生活保護の被保護者調査(令和5年1月分概数)の結果

金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 高齢社会における資産形成・管理

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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