更新日: 2023.10.28 定年・退職

妻と共働きでしたが定年を迎えました。今後は2人で「月20万円」の年金を受け取る予定ですが、働かずに暮らしていけるでしょうか? 貯金は500万円ほどです

妻と共働きでしたが定年を迎えました。今後は2人で「月20万円」の年金を受け取る予定ですが、働かずに暮らしていけるでしょうか? 貯金は500万円ほどです
今まで一生懸命働き、いよいよ定年退職を迎えて老後はどのように過ごそうか、楽しみにしている人もいるでしょう。しかし、原則65歳から受け取れる老齢年金のみで生活できるのか、それとも厳しいのかで、想定している老後のプランも変わってくるのではないでしょうか。
 
本記事では、65歳の夫婦が貯金500万円と毎月の合計20万円の年金のみで働かなくても生活していけるのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

2人暮らしで65歳以降にかかる生活費

毎月合計20万円の年金を受け取り、働かずに生活できるか考えるためには、老後の生活で発生する支出はどのくらいなのか把握する必要があります。
 
65歳以降も夫婦2人暮らしを続ける場合、具体的にいくらかかるのでしょうか。総務省統計局が公表している2022年家計調査報告(家計収支編)において、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は23万6696円、非消費支出は3万1812円となっています。消費支出と非消費支出を合わせると26万8508円かかります。
 

毎月20万円の年金収入のみでは赤字になる

仮に2人で毎月27万円の支出が発生する場合、20万円の年金収入のみだと7万円の赤字となってしまいます。赤字額は貯金などから補填する必要がありますが、500万円あっても約6年で使い果たしてしまう計算です。
 
6年後はまだ71歳です。日本人の平均寿命は男性が約81歳、女性は約87歳となっていますが、仮に平均寿命程度生きるとしてもまだ10年から16年程度生活していかなければなりません。
 
前述の消費支出はあくまで家計調査報告で公表されている支出が続くと想定される場合であり、実際には税金や社会保険料の負担増加、物価の変動による実質的な収入の減少が起こることも考えられます。また、自身の病気やけが、家族の介護など不測の事態が発生すると、さらに支出は増えてしまいます。
 
これらを考えると10年から16年程度どころか、場合によっては10年以内に資金がなくなってしまうおそれもゼロではありません。
 

できる限り働くことも検討する

今回は2人合わせて20万円の年金収入と貯金500万円あるため、直ちに生活が困窮する可能性は低いと考えられますが、長期的に考えるとできる限り長く働くなどして年金以外の収入源を構築することも重要です。
 
仮にパートやアルバイトで働いて月7万円の収入があれば、さきほど紹介した赤字金額を補填することができます。もし今後も夫婦ともに働き、それぞれ7万円稼ぐと合計14万円収入が増えます。資金の減少スピードを抑えられるため、できる限り働き続けるのも1つの方法です。
 

まとめ

本記事では、65歳の夫婦が貯金500万円と毎月の合計20万円の年金のみで働かなくても生活していけるのか解説しました。
 
働かずに年金だけで生活できたら嬉しいですが、預貯金も少なく10年程度で資金が底をつくおそれもあります。全く働かずに老後は悠々自適の暮らしができる時代は終わったといっても過言ではありません。
 
毎月20万円の年金収入があり、預貯金も500万円あるから大丈夫と油断するのではなく、できる限り長く働き、生涯にわたって複数の収入源を作ることも検討してみましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要

厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集