更新日: 2023.10.28 セカンドライフ

働く高齢者が過去最高に。老後の就労に向けて準備しておきたいこととは?

働く高齢者が過去最高に。老後の就労に向けて準備しておきたいこととは?
日本では少子高齢化が進んでいます。そして平均寿命が延びるにつれて、老後に就労を続ける高齢者も増加傾向です。
 
今回は、働く高齢者はどのくらいの数にのぼるのか、主にどんな仕事をしているのか、統計を基にチェックしていきます。また、老後も働くことを考えている人は現役時代にどういった準備をしておいたらいいか、ぜひ参考にしてください。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

働く高齢者はどのくらいいる?

総務省統計局が公表している労働力調査の結果などをまとめたデータによると、2021年の65歳以上の高齢者の就業者数は2004年以降、18年連続で前年に比べて増加し、909万人と過去最多になりました。
 
また、高齢者の就業率(65歳以上人口に占める割合)は25.1%と前年と同率ですが、年齢階級別では65歳~69歳の就業率は10年連続で上昇しており、2021年は50.3%と初めて50%を超える結果になりました。70歳以上では5年連続の上昇で18.1%となっています。
 
また、65歳以上の就業率を男女別に見た場合、男性は34.1%と前年に比べると若干低下し、女性は18.2%ですが10年連続で前年よりも上昇しています。
 

高齢者が就業している主な産業は?

次に、高齢者が就業している主な産業について確認していきましょう。
 
同じく総務省統計局によると、高齢就業者が最も多いのは「卸売業、小売業」の130万人です。続いて「農業、林業」の104万人、「サービス業(他に分類されないもの)」の103万人、「医療、福祉」の101万人などが多くなっています。
 
逆に高齢者の就労が少ない産業としては、「情報通信業」や「金融業、保険業」、「教育、学習支援業」などが挙げられます。
 

現役時代から老後の就労に備えておく

定年退職後、スムーズに仕事に就くためには現役時代からあらかじめ準備をしておくといいでしょう。
 
老後の働き方としては定年後の再雇用のほか、経験を生かして現役時代と同じ分野で仕事を探すのもいいですし、まったく違う分野で働くという選択もあります。
 
同じ分野での就労を希望する場合は、今までの人脈から仕事につながるケースもあるでしょう。現役時代から定年後も働くことを周囲に伝えておき、自分の能力をアピールしておくのも大切です。
 
新しい分野で働くことを考えている場合、まずはその仕事でどんな知識や技術が求められるのか調べておく必要があります。仕事の内容によっては資格を取得したり、自分で学べる範囲で予備知識を身に付けておくなど準備を進めておきましょう。
 
また、就職サイトなどをチェックして、自分が働きたい分野で高齢者でも募集があるのか事前に確認しておいてください。
 
募集している人材の年齢によっては、定年退職する前に転職を行った方が有利なケースもあります。今まで興味はあったが挑戦できなかった仕事があるような場合は、リサーチだけでも早めに行ってみましょう。
 

まとめ

経済的に豊かな老後の生活を送るために、定年退職後も就労を継続する高齢者の数は増加傾向にあります。生きがいを持って長く働くことができるように、老後の就労を検討している場合は早めに準備しておくと安心です。
 
特に興味がある分野の仕事についてはリサーチを行い、必要な知識や技術を身に付けておくといいでしょう。
 

出典

総務省統計局 統計からみた我が国の総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- 2.高齢者の就業
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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