更新日: 2023.11.06 その他老後
老後に2000万円なくても、「月2万円の節約」を頑張れば乗り越えられる!?
そこで今回は、老後に必要とされているお金について確認しながら、足りない分を節約で乗り越えられるのかどうかを検証してみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後に必要なお金はいくら?
老後に2000万円が必要な理由は、年金だけでは想定される生活費をまかなえないといわれているからです。では実際に、どれだけのお金が必要になるのかを見てみましょう。
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における家計収支は、表1の通りです。
【表1】
セルの結合 | 金額 | 合計 | |
---|---|---|---|
収入 | 社会保障給付 (年金や医療保障など) |
22万418円 | 24万6237円 |
その他の収入 | 2万5819円 | ||
支出 | 消費支出 | 23万6696円 | 26万8508円 |
非消費支出 (税金や社会保険料など) |
3万1812円 |
総務省統計局 「家計調査年報(家計収支編)2022年」 をもとに筆者作成
表1の収入と支出の差額は2万2271円となり、この不足分を自分たちでまかなう必要があります。1年間の不足分は26万7252円、仮に90歳まで生きたとすると、65歳からの25年間で668万1300円が必要です。上記のほかにも、医療費や介護費などの費用がかさむと、さらに出費が増えるでしょう。
節約しやすい出費第1位は「食費」
節約を意識していても、方法によっては期待するほど支出額を減らせないケースもあるでしょう。支出のなかでも、節約しやすいものとそうでないものがあります。
株式会社エイチームライフデザインが運営する、通信費・家計見直しサイト「Soldi(ソルディ)」の「物価の高騰についての調査」では、家計の見直し後に、実際の節約につながった項目について以下の結果が出ました。
1位:食費(23.4%)
2位:通信費(19.7%)
3位:被服費(8.8%)
4位:灯油・ガソリン代(7.5%)
5位:電気代(5.4%)
節約を検討するときに、上記の項目を意識すると効率よく支出を減らせるでしょう。
65歳以上の夫婦にかかる支出の内訳
総務省統計局の 「家計調査年報(家計収支編)2022年」 によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における支出の内訳は、表2の通りです。消費支出のなかから、占める割合が大きい項目を3つ記載しました(その他の消費支出をのぞく)。
【表2】
支出の項目 | 金額 |
---|---|
食料 | 6万7776円 |
交通・通信 | 2万8878円 |
光熱・水道 | 2万2611円 |
総務省統計局 「家計調査年報(家計収支編)2022年」 をもとに筆者作成
前章の節約しやすい項目である「食費」「通信費」は、毎月の支出に対する割合が多いことが分かりました。支出が多い分、節約を意識したときに効果が実感しやすいのかもしれません。
通信費や保険料などの固定費は、契約プランを見直すことで、確実に毎月の出費を減らせます。買い物の際に、節約を意識することはもちろんですが、まずは固定費を見直すことをおすすめします。
貯蓄が少ない場合は老後の生活で節約を意識しよう
老後の生活では、毎月、約2万2271円が不足することとなり、その分を自分たちの資金でまかなわなければなりません。月2万円の貯蓄では、やや心もとないといえるでしょう。貯蓄を行うことに加えて、老後の生活における支出を減らす工夫が必要です。
さらに老後には、医療費や介護費などの費用がかかる可能性が高くなります。万が一の状況にも対応できるよう、ある程度、余裕のある老後資金を準備しておくと安心です。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー