更新日: 2023.11.16 セカンドライフ
定年後、年金とアルバイト代で「月20万円」の生活を想像してみた
本記事では、定年退職後に年金とアルバイト代で、月に20万円の所得を得て生活をしていくための費用をシミュレーションします。定年退職後に支出をおさえて暮らすコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後を月20万円で暮らす場合のシミュレーション
家計調査によると、単身世帯の家計収支は表1のとおりです。老後の収入を年金+アルバイト代で「月額20万円」と想定して、日々の生活費をシミュレーションします。
【表1】
項目 | 金額 | 割合(%) |
---|---|---|
消費支出 | 15万3027円 | 100 |
食料 | 3万9532円 | 25.8 |
住居 | 1万8640円 | 12.2 |
光熱・水道 | 1万1270円 | 7.4 |
家具・家事用品 | 5255円 | 3.4 |
被服及び履物 | 5005円 | 3.3 |
保健医療 | 8097円 | 5.3 |
交通・通信 | 1万9872円 | 13.0 |
教養娯楽 | 1万6702円 | 10.9 |
その他の消費支出 | 2万8654円 | 18.7 |
貯金 | 4万6973円 |
(政府統計の総合窓口(e-Stat)家計調査 家計収支編 単身世帯より筆者作成)
収入が月に20万円ある場合は、貯金が「4万6973円」できる結果になりました。定期的に貯金ができると、万一、なにかトラブルがあった際も安心です。しかし、家計調査の住居費は「1万8640円」となっています。賃貸住宅の場合や、持ち家であっても、住宅ローンの支払いが終わっていない場合は住居費が調査よりも高くなると考えられます。
自分のライフスタイルに合わせて項目ごとに確認してみましょう。
支出をおさえて老後生活を送るポイント
次に、老後の収入内で、うまくやりくりをするため、ポイントを紹介します。定年退職後は現役時代よりも収入が減少する場合がほとんどです。今までの生活水準のまま暮らしてしまうと、毎月、貯金を取りくずすことにもなりかねません。支出をおさえるポイントを把握して、必要なものにお金をかけることが必要です。
自炊を心がける
外食をメインにしてしまうと出費が高くなってしまうため、自炊を心がけましょう。また、献立のメニューを考えることで脳のトレーニングとなり、食材を買いに外出することで運動不足を解消できるため、老後の健康維持にも役立ちます。
自炊を、より楽しく行うために、家庭菜園もおすすめです。小さなプランター栽培からはじめてもいいですし、自宅に庭がある方は活用してもよいでしょう。自分で育てた野菜を料理に使うと、よりおいしく感じられ、料理をすることが楽しみになるなど、老後の生活としてもメリハリをつけられます。
移動は公共交通機関を利用する
ある程度、公共交通機関が発展しており、買い物で出かける際に不便がないようであれば、自家用車を手放して、自転車や徒歩、電車やバスでの移動を心がけることも節約ポイントです。車は購入費だけではなく、ガソリン代や駐車場代、税金、保険料、車検代、オイル交換代、修理費などさまざまな維持費がかかります。
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが生活圏内にあり、遠出の際も電車やバスを利用しやすい地域にお住まいの場合は、思い切って車を売却するのもよいでしょう。車の状態次第では、売却益も入るため、節約だけではなく、収入にもなります。
暮らしにあった住まいに移る
一戸建て住宅を購入して、現役時代は家族と暮らしていた方も、子どもが育って家を出ていったり、離婚や死別でパートナーが不在になったりと、なんらかの理由で単身世帯になる場合もあるでしょう。
家族で暮らしていた一戸建て住宅は、単身者が住むには広すぎる可能性があります。使わない部屋は掃除など、管理の手間が生じるため、1人暮らしにあったコンパクトな住まいに移ることも手段の一つです。
住宅を売却して手元にお金が入れば、賃貸住宅の資金にあてられます。また、売却せず賃貸にできれば、自分が賃貸に引っ越した後の家賃を、貸し出した戸建ての家賃収入でまかなえる可能性もあるでしょう。
まとめ
家計調査の結果をみると、老後に月額20万円の収入があれば、ある程度の余裕を持って暮らせることが分かりますが、これらはあくまで目安です。賃貸住宅にお住まいの方は家賃が発生しますし、病気や持病があり、病院へ通院している場合は医療費が上がります。
自分のライフスタイルにあわせて支出のバランスを調整してシミュレーションしましょう。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat) 家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー