更新日: 2023.11.20 セカンドライフ

60歳ですが「雇用延長」はせず退職したいです。貯金「2000万円」で老後生活に入っても大丈夫でしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

60歳ですが「雇用延長」はせず退職したいです。貯金「2000万円」で老後生活に入っても大丈夫でしょうか?
60歳で老後生活に入ることが珍しい時代となりました。なにせ今の60歳代は、「まだまだバリバリ!」という人も多いですよね。国の方向性としても、高齢者の雇用機会の確保が進んでおり、「定年」という境目が緩くなってきています。
 
しかし中には、60歳の定年を機に老後生活に入りたいという人もいるでしょう。60歳で老後生活に入るためには貯金がいくらあったら大丈夫なのか、本記事で計算してみたいと思います。
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60歳以降の生活費

総務省統計局の家計調査年報によると、世帯主が60歳以上の無職世帯(人員2人以上)における1ヶ月の生活費(消費支出)の平均は約24万円となっています。その後、徐々に下がるようです。
 
100歳まで生きると仮定し、月約24万円の生活が60歳から70歳の10年間、70歳から100歳までの30年間は月約23万円が続くとした場合で、40年間で合計1億1160万円を支出する計算になります。
 

年金で埋められる金額

「1億1160万円」と聞くと驚く人もいるでしょうが、老後には年金があります。65歳から100歳までの35年間でどのくらい受け取れるのか計算してみましょう。
 
日本年金機構は、平均的な収入(ボーナスを含む標準報酬月額43万9000円)で40年間働いた場合の年金受給額は夫婦2人分で月約22万円としています。これを35年間受け取った場合、9240万円になります。
 
100歳までかかる生活費1億1160万円のうち9240万円は年金で埋められるので、差額1920万円は貯金を取り崩すなどして生活するということですね。これがまさに一時期話題となった「老後2000万円問題」なのではないでしょうか。
 

貯金2000万円で老後生活に入っても大丈夫か

貯金2000万円で60歳から老後生活に入るのは大丈夫ではないかもしれません。
 
単純計算ではギリギリ大丈夫という結果となりましたが、これは夫婦2人が100歳で同時に死亡する場合で計算してある点に注意しなければなりません。途中でどちらかが死亡した場合、遺族厚生年金はあったとしても生存しているときより年金受給額は減るかと思います。
 
その分、生活費も減りますが2分の1になるわけではないでしょう。貯金2000万円ではギリギリ、もしくは足らずに生活破綻する可能性があると考えられます。
 

2021年より70歳までの雇用が努力義務に

2021年の法改正により、企業には従業員が70歳まで働けるように努力することが義務付けられました。既に大企業では、再雇用期間が70歳までとなっているところも多いでしょう。
 
人生100年時代となっている今、高齢者の働き方も大きく変わってきているようです。60歳で老後生活に入り、80歳でお金が足らなくなったからといって働こうとしても、体力面や需要面などからなかなか難しい部分があるのではないでしょうか。それなら60歳からもう少しの間を頑張って老後生活に入った方が安心かもしれません。
 

まとめ

貯金2000万円で60歳から老後生活に入るのは大丈夫ではない場合も考えられそうです。再雇用制度があるのであれば、そのまま利用することをおすすめします。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)
厚生労働省 高年齢者の雇用
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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