更新日: 2023.12.13 定年・退職

65歳での「退職」は損!?「64歳11ヶ月」で退職すると失業保険も年金も受け取れてお得!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

65歳での「退職」は損!?「64歳11ヶ月」で退職すると失業保険も年金も受け取れてお得!
退職や失業をした際に、働く意欲があれば、利用できる制度が失業保険です。65歳未満で退職する場合と、65歳で退職する場合とでは、給付金の種類が異なります。
 
今回は、65歳未満で利用できる失業保険の基本手当と、65歳以上で利用できる高年齢求職者給付金の違いについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

失業保険の基本手当と高年齢求職者給付金の違い

退職や失業後に受け取れる失業保険は、年齢によって種類が変わります。65歳で定年退職をしてから失業保険の給付を受けると、基本手当は受け取れないため、注意しましょう。
 

65歳未満で受け取れる給付が基本手当

雇用保険の被保険者だった方が失業や退職をしたあと、少しでも早く新たな仕事を見つけるために、給付されるお金が基本手当です。仕事がない状態でもお金の心配をせずにすむように、給付金による求職活動のサポートを目的としています。
 
条件は以下の通りです。

●65歳未満
●失業している
●仕事を辞めた日以前2年間の雇用保険の被保険者期間が合計で12ヶ月以上ある

 
基本手当を受け取れる期間は、雇用保険の加入期間に応じて変動します。自己都合で仕事を辞めた場合の、雇用保険加入期間ごとの受給期間は表1の通りです。
 
表1
 

雇用保険加入期間 基本手当の給付期間
1年未満 90日
1年以上5年未満
5年以上10年未満
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

 
※厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数 2. 1及び3以外の離職者」を基に筆者作成
 
基本手当の支給額は、賞与を除いたこれまでの月収を基に計算されます。64歳で退職したとすると、退職する直前から6ヶ月前までの月収をすべて足し、180で割った数値の45~80%が支給される金額です。
 

65歳以上には高年齢求職者給付金を給付

高年齢求職者給付金は、65歳を過ぎて退職したときに利用できます。基本手当に代わって給付されるお金で、条件は以下の通りです。
 

●65歳以上
●仕事を辞めた日以前の1年間で、雇用保険の被保険者期間が合計6ヶ月以上ある
●失業している

 
高年齢求職者給付金は、雇用保険へ加入していた期間が、1年未満ならば30日分、1年以上ならば50日分の基本手当に相当する金額が受け取れます。そのため、65歳未満で基本手当を利用した場合と比較すると、受け取れる総額が少なくなります。
 

基本手当・高年齢求職者給付金・年金の同時受給はできる?

65歳未満の方が利用できる制度が失業保険であるのに対し、高年齢求職者給付金は65歳以上の方が失業したときに利用できるため、両給付金の同時受給はできません。
 
また、基本手当を受け取る場合、65歳未満で受け取れる特別支給の厚生年金は、給付が止められます。
 
ただし、65歳を過ぎてから受け取る厚生年金は、もともと支給される年金のため、高年齢求職者給付金を受け取っていても支給停止にはなりません。
 

退職時期によっては基本手当と年金の同時受給もできる

失業保険の基本手当は、65歳未満に退職していると受け取れる給付金であり、厚生年金は、65歳を超えていれば原則支給されます。
 
つまり、64歳11ヶ月までに退職をして、65歳に厚生年金を受け取り始めれば、基本手当と年金を同時に受給できることになります。
 
65歳まで待って退職して、高年齢求職者給付金と年金を同時に受け取る方法もありますが、基本手当と比べると総額が少なくなります。少しでも得をしたいならば、65歳直前に退職する方法がおすすめです。
 
ただし64歳で退職すると、65歳で受け取れるはずだった賞与が受け取れなくなる可能性があるため、注意しましょう。
 

基本手当と年金を両方受け取りたいなら64歳11ヶ月に退職する

失業保険の給付と年金を満額受け取りたい場合は、64歳11ヶ月までに退職するといいでしょう。基本手当の受給条件と厚生年金を受け取る年齢条件を満たせるため、同時に受給できます。ただし、65歳で受け取る予定の賞与などは受け取れなくなるおそれもあることは、把握しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 ハローワークインターネットサービス
 基本手当について 受給要件 支給額

 基本手当の所定給付日数 2. 1及び3以外の離職者

 離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内> (1)高年齢求職者給付金の対象となる方(1ページ)

 事業所を離職された満65歳以上の高年齢者の皆さんへ 高年齢求職者給付金はこんな制度です! 早めに求職申込みの手続きをしてください(3ページ)

日本年金機構
 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額 受給開始時期

 年金と雇用保険の失業給付との調整

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集