年収いくら以下で「生活保護」の対象者になる?「年金受給」していても対象になり得る?

配信日: 2023.12.18 更新日: 2023.12.21

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年収いくら以下で「生活保護」の対象者になる?「年金受給」していても対象になり得る?
生活保護について「収入が一切存在しない状態でないと受け取ることができない」と思う方は少なくないようです。しかし、収入が存在する状態でも、生活保護を受け取ることができます。
 
そこで、収入が低く生活に苦しむ年金生活者の方に向けて年金生活中の生活保護について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

生活保護制度の概要

生活保護とは「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」という、日本国憲法第25条で保障された国民の権利を、実現するための制度です。
 
具体的には、世帯主の死亡や自身の病気などにより収入が途絶えたり減少したりしてしまい、資産や頼るあてもなく生活が困難となってしまった場合に受けられます。そのため、就労していたり年金を受け取っていたりするとしても、それだけでは生活できないような場合は、生活保護の対象となります。
 
例えば、地域で定める生活保護の支給額(最低生活費)が15万円であるところ、年金収入が10万円であれば、5万円が生活保護費として支給されます。
 
ただし、資産がある場合はその限りではありません。生活保護を受給するためには、まずその資産を活用しなければならないからです。そのため仮に収入が0円であっても、貯金が500万円あれば、まずは貯金という資産を活用してから生活保護を受ける形になります。
 
また、支援のできる親族がいる場合も同様のようです。生活保護を受けようとする方に、親、子、兄弟姉妹などの親族がいて、その方を扶養できる状態にあるような場合は生活保護よりも優先的に、親族からの支援を検討することになります。
 

年収いくらから生活保護を受けられる?

実際に、資産要件や「扶養できる親族がいない」という要件を満たしているとして、年収が何円以下であれば、生活保護が受けられるのでしょうか。この点は、地域や家族構成によって異なります。
 
参考までに、神奈川県横須賀市においては68歳の単身高齢者の場合、生活保護の基準額は7万3850円です。これを年換算して考えると、88万6200円以下であれば、生活保護を受けられる可能性があるといえるでしょう。
 

生活保護を受給するには?

生活保護を受給するには、所定の手続きを行うことが必要です。神奈川県横浜市のホームページによると、下記のステップで手続きを進めていくことになるようです。

●区の福祉保健センターへ相談
●生活保護を受ける意思があれば、区の福祉保健センターへ申請
●生活保護が必要な状況であるか、調査を受ける
●調査の結果「必要がある」と判断されると、生活保護の支給が開始される

ただし、生活保護の受給中は、ケースワーカーからの指示・指導に従わなければなりません。加えて、生活の向上に努めるなど、一定の義務も課せられています。
 
生活保護について検討しているのであれば、まずは最寄りの福祉保健センターなどへ相談するのがいいでしょう。
 

まとめ

生活保護は、収入が存在していても、それが自治体の定める最低生活費以下であれば、受給の対象となり得ます。当然、年金を受け取っている場合も同様です。生活保護を受けることは恥ずかしいことではありませんが、一定の手続きをする必要があるとともに、実際に受給すれば守るべき義務も課せられます。
 
もし、生活が立ち行かず行き詰まってしまったときは、最寄りの福祉保健センターなどへ相談してみると生活保護について必要な情報を得ることができるでしょう。
 

出典

神奈川県横浜市 2023年度版 生活保護のしおり
神奈川県横須賀市 生活保護
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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