更新日: 2023.12.18 セカンドライフ

65歳夫婦、夫が週3で働き「月12万円」の見込みの場合、妻は夫の「扶養」に入れる? 要件について解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

65歳夫婦、夫が週3で働き「月12万円」の見込みの場合、妻は夫の「扶養」に入れる? 要件について解説
60代になると定年退職を迎えて老齢年金を受け取り始める人も多いのではないでしょうか。一方で、勤務先を通して厚生年金や健康保険に加入していた場合、退職すると脱退しなければならず、自身で国民健康保険に加入する必要があるケースも少なくありません。
 
本記事では、65歳の同世代夫婦がいて、夫が定年後にパートやアルバイトなどで週3日働いて月12万円程度の収入を得る場合、妻は夫の扶養に入れるのか解説します。なお、扶養とは一般的に所得税や住民税が関係する税制上の扶養と年金や健康保険などの社会保険の扶養がありますが、今回は後者について考えます。
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社会保険の扶養とは?

社会保険の扶養とは一般的に配偶者が加入する厚生年金や健康保険の扶養に入ることをいいます。例えば、夫が会社員で妻が専業主婦やパート・アルバイトなどで働く場合、扶養条件を満たすと妻の国民年金や健康保険の保険料負担がなくなるメリットがあります。
 
扶養に入っている人の年収が130万円を超えると自身で国民年金や国民健康保険、勤務先の健康保険などに加入する必要があるため、一般的に「130万円の壁」といわれています。
 
従来は130万円を超えると扶養から外れることが多かったですが、就労意欲の低下を防ぐために、繁忙期に残業などで収入が一時的に上がり、結果的に130万円を超えてしまった場合も扶養から外れない仕組みなどが構築されました。細かい判定基準は健康保険組合によって異なるので、気になる場合は確認しましょう。
 

夫は厚生年金や健康保険に加入できる?

妻が夫の扶養に入れるかどうか考える際に、そもそも夫自身が厚生年金や健康保険に加入できるのか確認する必要があります。今回の場合、夫は週3日働いて月12万円稼ぐ予定です。例えば時給1200円で1日8時間働く場合は日給1万円程度となり、月12万円程度の収入となります。
 
2016年10月から以下のように短時間労働者に対する健康保険や厚生年金保険の段階的な適用拡大が実施され、被保険者数101人以上(令和5年12月時点)の企業では、雇用形態にかかわらず以下の要件を全て満たす場合は加入しなければなりません。なお、令和6年10月からは対象が51人以上の企業に拡大されます。
 

・週の所定労働時間が20時間以上である
・所定内賃金が月額8万8000円以上である
・学生ではない

 
今回は学生ではなく、週の所定労働時間や賃金要件も満たすため、勤め先企業の規模に応じて夫は厚生年金や健康保険に加入する必要があると思われます。
 

65歳以降に問題となるのは健康保険

仮に妻が無職で収入もない場合は、妻は夫の扶養に入ることができます。現在65歳で老齢年金を受け取れる世代のため、社会保険で問題となるのは主に健康保険の部分です。
 
年金保険料の納付が終わっても健康保険料の負担がなくなるわけではありません。今回は夫が定年後も働いて週3日勤務でも社会保険の加入要件を満たすため、夫が加入する健康保険の被扶養者となることができます。
 
ただし夫の就業日数が減って社会保険の加入要件を満たさなくなったり、退職して無職となったりした場合は74歳まで国民健康保険に加入する必要があるので注意しましょう。
 

まとめ

本記事では65歳同世代夫婦で夫が週3日働いて月12万円稼ぐ場合、妻は扶養に入れるのか解説しました。
 
配偶者や親などの扶養に入れるかどうかは労働時間や賃金などの要件を満たし、勤務先で社会保険に加入しているかどうかで変わります。扶養に入れるかどうか心配な場合は配偶者の勤務先を通して年金事務所や健康保険組合に確認してみましょう。
 

出典

厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
厚生労働省 国民健康保険の加入・脱退について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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