更新日: 2023.12.19 セカンドライフ

定年後の仕事選び、何か注意点ってあるの?

執筆者 : 仁木康尋

定年後の仕事選び、何か注意点ってあるの?
近年は、定年後も仕事を続けている人は多くいらっしゃいます。定年後の仕事選びではどんなことに留意しておくべきなのか、FPが解説します。
仁木康尋

執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

ライフステージごとに働き方を変える自由度を持つ

「何のために働くのか?」その答えは、その人の置かれた状況によってもさまざまです。時間軸で考えればライフステージによっても変化していくものです。例えば、一般的な会社員の方のライフステージを60歳から5年単位で区切ってみます。その時期によって働く目的が以下のように変化することに違和感を覚えることは少ないかもしれません。
 

【60歳から65歳まで】

(例)65歳の老齢年金受給までは無収入になってしまうので、一定の収入を安定して得ておきたい。
 

【65歳から70歳まで】

(例)人生100年時代、長い老後に備えて年金の受給開始を70歳まで待って(「年金の繰下げ受給(※)」)老齢年金を42%割増で受給できるようにしておきたい。そのために70歳までは月々の生活費プラスαの収入は確保したい。
 

【70歳から】

(例)老齢年金の割増受給により年金額が増えることで、老後の収支バランスは改善されるため、無理をして稼ぐ必要はなくなった。収入よりも、社会とかかわり続けることを優先したい。
 
このように、ライフステージに応じて就業の目的は変わるものです。変化に対応できるように自由度を失わず柔軟に考えられるようにしましょう。
 

(※)年金の繰下げ受給
老齢基礎(厚生)年金は、65歳で受け取らずに66歳以後75歳までの間で繰下げて年金を受け取ることができます。
その場合には、繰下げた期間に応じて年金額が増額されます。老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々に繰下げもできます。
割増率は0.7%×繰下げた月数で計算します。そして、一生この割増率で支給されます。
 
(例)受給開始を70歳まで5年繰下げた場合 0.7%×12ヶ月×5年=42%

(出典:日本年金機構 年金の繰下げ受給/繰下げ加算額)

自分のことをよく知る

ここで質問です。以下の3つの質問に答えられますか?
 

Q1 得意なことは何ですか? その中で人の役に立てることは何ですか?
Q2 やっていても苦にならないこと(=楽しんでできること)はなんですか? それはなぜですか?
Q3 ストレスに感じることはなんですか? それはなぜですか?

 
いかがでしょうか。Q1は、しっかりと自己分析をしていないと回答しにくい質問だったのではないでしょうか。
 
なぜこのような質問をしたかというと、正しく自分のことを知ることができれば、仕事を選択する上でのミスマッチを防ぐことができるかもしれません。得意分野で、人に感謝され、楽しんで仕事をすることができれば最高ですね。肩書や過去の実績にとらわれず、1人の人間として自分は誰かのために何ができて、何に喜びを感じるのか、本当の自分を知っておきましょう。
 

心の持ち方

心の持ち方として、人の役に立とうとする利他の心を持つことは重要だと筆者は考えます。また、腰を低く、相手を尊重して、相手の環境に歩み寄ることができれば、周囲との良い関係性が生まれ、素晴らしいセカンドステージを送ることができるかもしれませんよ。
 

健康について

すべては健康であることから始まります。今のうちから運動、睡眠、食事に気を配り、身体活動レベルの維持のための活動を習慣づけておきましょう。
 

まとめ

社会とかかわり続けることは、健康で長生きの秘訣ともいわれています。人生100年時代、リタイア後も仕事と上手に付き合いながら、長いシニアライフを楽しんで行きましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給/繰下げ加算額

 
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

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