更新日: 2024.01.24 定年・退職

65歳以上の求職者数が10年で「2倍」に! やはり年金だけでは老後生活は過ごせない? 高齢者に人気の「再就職先」とは

65歳以上の求職者数が10年で「2倍」に! やはり年金だけでは老後生活は過ごせない? 高齢者に人気の「再就職先」とは
「60歳で会社を退職して退職金を受け取り、65歳から支給される年金で穏やかに老後生活を楽しむ」。これは多くの人が望んでいる未来かもしれませんが、現実は理想とは大きくかけ離れている状況です。
 
近年、長寿化による人生100年時代の到来や老後2000万円問題など、現役世代を終えた後の人生の過ごし方の課題が目立っています。本記事では、近年のシニア層が抱える課題と、ゆとりのある老後生活を送るためのヒントについて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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65歳以上の新規求職者数が10年で2倍になっている

厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」のデータを見ると、65歳以上の新規求職者数は、2012年の約35万人に対して2022年は約71万人と2倍に増えています。直近10年のデータを見ても、すでに老後生活の長期化に伴い65歳以上の高齢者の労働人口が増加していることが分かります。
 
また図表1のとおり、定年年齢の引き上げや継続雇用制度の導入、定年制の廃止など、70歳までの就業確保措置をとる企業が増加していることも、65歳以上の労働人口が増加している理由の1つとして挙げられます。
 
図表1
 

 
厚生労働省 公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績
 

ゆとりのある老後生活に必要なお金と年金額のギャップ

総務省統計局が発表している「家計調査」(2022年)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合、図表2のとおり家計収支が毎月2万円以上マイナスになる可能性があることが分かります。
 
また、生命保険文化センターの調査では、ゆとりある老後生活に必要な生活費の平均が約38万円という結果も出ています。ゆとりある老後生活を望む場合には、老後の収入源の確保がより必要になります。
 
望む老後の生活スタイルや持ち家の有無、受給できる年金額などによって個人差はありますが、老後の家計収支のマイナスが大きければ大きいほど65歳を超えても働き続ける必要があるという事実に、多くの人が直面しているようです。
 
図表2
 

 
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要
 
さらに図表3のとおり、65歳以上の人が仕事をしている理由の1位は「収入がほしいから」であることからも、老後年金と現役時代の貯金だけでは老後生活に不安を覚えている人が多く、働き続けている現状があることが分かります。
 
図表3
 

 
内閣府 令和2年版高齢社会白書(全体版) 2 就業の状況
 

高齢者に人気の再就職先とは

65歳を超えてから働き続ける場合の選択肢は、在籍していた企業に70歳まで雇用の延長を認めてもらうか、別企業への再就職が主になります。総務省統計局の調査によると、図表4のとおり高齢者の男女が希望する職種については、男性は「専門的・技術的職業」、女性は「サービス職業」がそれぞれトップです。
 
これらの結果を見ても、今までの経験を活かせる、人と関わり続けることができる、といったように自分の希望するタイプの職種から就職先を選ぶことも、再就職先選びの一助となるでしょう。
 
図表4
 

 
総務省統計局 統計トピックスNo.138 統計からみた我が国の高齢者
 

望む老後生活を過ごすためにも早めの対策や準備を

会社を退職した後どのような人生を過ごしたいかは個人によりさまざまです。統計では、働く理由の1位は収入のためでしたが、仕事へのやりがいや人との関わり、健康面でプラスになるなどお金以外の理由も、65歳を超えて働く原動力になっています。
 
今後ますます長期化が予想される老後生活に対して、現役時代を終えた後に自分が望む生活を手にするためにも、経済面における資産形成や65歳を超えても発揮できるスキルの習得などを中心とした早めの対策をしていくことが、老後の選択肢を増やすために重要となるでしょう。
 

出典

厚生労働省 公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績

生命保険文化センター 2022(令和4年度)生活保障に関する調査

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要

内閣府 令和2年版高齢社会白書(全体版)2 就業の状況

総務省統計局 統計トピックスNo.138 統計からみた我が国の高齢者

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー