「勤続3年目」のアラサー社会人ですが、転職を検討しています。今の仕事を辞めた場合、「退職金」はどれだけもらえるのでしょうか?
配信日: 2024.02.10
退職金制度のある会社に勤めている人は、定年退職を待たずに辞めても退職金を受け取れる可能性があります。今回は、勤続3年ほどで転職を検討している人が、実際に会社を辞めたら退職金をいくら受け取れるのかをみてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職金制度の有無を確認しよう
退職金制度は法律で定められているものではないため、退職金を受け取るには、この制度のある会社へと勤めていなければいけません。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、退職金制度のある企業は74.9%でした。
規模の大きな会社ほど、高い割合で退職金制度を設けています。まずは、自分の勤めている会社の制度について確認しておきましょう。
・勤続年数によっても変わる退職金の有無
会社で退職金制度を設けていたとしても、勤続年数によって受給資格が変わるケースもあります。例えば、厚生労働省の調べでは、勤続年数が3年未満で退職金の受給資格を満たすとしている会社の割合は、20〜30%台でした。
勤続年数が3年以上になると、半分以上の会社で退職金の受給資格を得られます。会社都合か自己都合かによっても受給資格の有無が変わる可能性があるため、そのあたりも含めて確認しておかなければいけません。
勤続年数によって変わる退職金額
りそな年金研究所の「企業年金ノート」では、勤続年数ごとにモデル退職金をまとめています。2023年版のレポートによると、勤続年数3年の25歳で大企業に勤めている場合の退職金額の目安は、32.3万円でした。会社都合だと69万円なので、転職による退職では30万円以上も退職金が少ないことになります。
同じく中堅・中小企業に勤めている人の場合は、23.8万円でした。こちらも会社都合の場合は33.8万円と自己都合よりも増額はされますが、大企業ほどの差はありません。
ちなみに、勤続年数が5年となると、大企業の場合には59.4万円、中堅・中小企業の場合は47万円と、どちらも3年の場合と比べて20万円以上増額されます。もちろん統計上の数字なので、すべての企業にあてはまるわけではありません。しかし、勤続年数によって退職金額はそれなりに大きな変動をみせる点は押さえておきましょう。
退職金額を増やすために転職は思いとどまった方がよい?
紹介したように、勤続年数が増えるごとに退職金額が増えていくのが一般的です。3年ほどとはいえ、せっかく勤めているなら、もう少し働きスキルなどを磨いてから転職しても遅くはないと考える人もいるでしょう。勤続年数も5年が過ぎればスキルも退職金も増え、さらに転職の幅が広がる可能性もあります。
しかし、転職はタイミングも重要です。携わりたい業種や職種がほかにあったり、知り合いの紹介で確実に入社できたり、転職を検討している理由が明確であれば、実際に転職する価値が高まります。
特に、転職により年収の増加が見込める場合は、あと数年働き続けて数十万円の退職金が上乗せされるよりも、毎年の収入を増やしたほうがメリットは大きいでしょう。
勤続3年程度の人の退職金額は20〜30万円が相場
転職により会社を辞める人は自己都合による退職となるため、退職金額はさほど多くはなりません。勤続年数3年ほどであれば、退職金額は20〜30万円程度となるでしょう。その前に、勤めている会社に退職金の制度があるのか、また、自分に受給資格があるかなどの確認が必要です。
勤続年数が長くなれば退職金額も増えるのが一般的ですが、ほかに勤めたい企業や仕事がある場合や、年収が確実に上がる場合は転職の価値も高まるでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)制度
厚生労働省 退職手当の受給に必要な所要年数
りそな年金研究所 企業年金ノート 統計でみる退職金・企業年金の実態(2023年版)~大企業および中堅・中小企業の動向~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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