更新日: 2024.03.06 定年・退職
「民間企業」VS「国家公務員」! 定年退職時にもらえる退職金はどちらが多い?
しかし、どの程度の差があるのか知らない方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、民間企業と国家公務員の定年退職時にもらえる退職金の違いについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
民間企業と国家公務員が定年退職時にもらえる退職金
早速、民間企業と国家公務員が定年退職時にもらえる平均退職給付額を比較してみましょう。今回は、最終学歴が大学卒業の場合の平均データです。
人事院の「民間の退職金及び企業年金の実態調査」によると、勤続年数別(20年、30年、40年)の退職給付額は表1の通りです。
表1
勤続年数 | 退職給付額 | 差額 | 民間企業 | 国家公務員 |
---|---|---|---|
20年 | 617万8000円 | ‐ | ‐ |
30年 | 1450万5000円 | 1866万4000円 | 415万9000円 |
40年 | 2157万4000円 | 2371万9000円 | 214万5000円 |
44年 | 2511万9000円 | 2806万2000円 | 294万3000円 |
45年以上 | 2299万1000円 | 2646万3000円 | 347万2000円 |
※人事院「民間の退職金及び企業年金の実態調査」を基に筆者作成
表1より、民間企業と国家公務員の平均退職給付額と比べると、国家公務員のほうが高いことが分かります。勤続年数40年の場合で比較すると214万5000円、45年以上になると347万2000円の差が生じています。
退職金は勤続年数によって大きく異なりますが、勤続年数が長いからといって多く支給されるわけではないようです。実際に、民間企業と国家公務員ともに退職金が最も高かったのは、勤続年数44年でした。
表1の金額はあくまで平均値ですので、会社や職種によっても退職金には違いが見られるでしょう。
退職金の支給額はケースによって大きく異なる
退職時に受け取れる金額は、会社や個人の業績などによって左右されます。ただしこれは民間企業の場合であり、国家公務員は法律(国家公務員退職手当法)によって退職手当の基準が定められています。
ここでは民間企業における、退職金の算定方法を見てみましょう。
厚生労働省労働基準局監督課の「モデル就業規則」では、「退職金の額の算定は、退職又は解雇の時の基本給と勤続年数に応じて算出する例を示していますが、会社に対する功績の度合い等も考慮して決定する方法も考えられることから、各企業の実情に応じて決めてください。」と記載があります。
要するに、民間企業における退職金は、基本給や勤続年数だけで決められるわけではなく、各会社の規定によって変更されるということです。現役時代における業績や貢献度によっても左右されることを、念頭に置いておきましょう。
定年時にもらえる退職金は、国家公務員のほうが民間企業に比べて多い
今回の結果より、国家公務員のほうが民間企業に比べて、平均退職給付額が高い傾向にあることが分かりました。
退職金は、基本給や勤続年数以外にも、業績や会社への貢献度などによっても異なります。定年退職時にいくらもらえるのかの目安を把握し、必要に応じて老後資金を準備していきましょう。
出典
人事院 民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について
厚生労働省労働基準局監督課 モデル就業規則 令和5年7月版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー