更新日: 2024.05.08 セカンドライフ

あと数年で定年です。年金だけで裕福な生活を送るのは無理ですか?

あと数年で定年です。年金だけで裕福な生活を送るのは無理ですか?
定年退職を目前に控えると、心配になってくるのが「老後の年金生活」です。どれくらい年金を受給できるのかを含めて、年金だけで裕福な生活が送れるのかも気になる部分でしょう。また、自分の時間ができる老後に、趣味や旅行などを楽しみにしている方も多いと思われます。
 
そこで本記事では、老後に必要な生活費や受給できる年金額の目安を紹介します。裕福な生活が送れるとされる生活費もお伝えしますので、老後の年金生活をイメージする参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後に必要な生活費

(公社)生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦二人で老後生活を送るために必要な生活費は月額の平均で23万2000円とされています。生活費に個人差があるとしても、20~25万円ほどは必要と考えられます。
 
また同調査で、ゆとりある老後生活費は月額の平均で37万9000円とされています。趣味や娯楽を楽しむなど、いわゆる裕福な生活を送るためにはプラスで15万円ほど必要になるでしょう。
 
一人暮らしの老後生活を想定するなら、生活費は二人暮らしの費用から単純に半分とは考えにくいです。その理由として特に分かりやすいのは、家賃や光熱費でしょう。
 
一人暮らしでそれぞれの費用自体は低くなるとしても、一人あたりの負担額は二人暮らしよりも大きくなることが多いからです。特に光熱費は生活人数が増えても、倍の料金とはなりません。
 

年金はどれくらい受け取れる?

将来受け取ることができる年金は、主に国民年金と厚生年金があります。国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満全員が加入します。受給額は保険料を納めた月数に応じて決定され、令和6年度は満額で月額6万8000円です。
 
一方、厚生年金は厚生年金保険の適用を受けた事業所で働く人を対象としており、個人事業主は基本的に厚生年金に加入できません。そのため、個人事業主は国民年金のみとなり、将来的に受け取る年金額が少なくなるので、会社員以上に老後の資産形成を考えなくてはいけません。
 
厚生年金の受給額は、年収によって大きく異なります。厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金を含めた厚生年金の平均受給額は65歳以上の男性で約16万円、女性で10万円ほどとされています。
 
夫婦二人暮らしの場合で月々に受け取れる年金額は、男女の平均受給額を合算すると26万円前後となります。
 
平均受給額で女性が大きく下回っているのは、労働社会における男女格差や育児などによる離職や休職が大きな理由でしょう。改善に向けた取り組みはされているものの、大きな社会問題の一つです。
 

年金だけで裕福な生活は送れる?

夫婦二人暮らしの平均的な年金受給額が26万円とされる現状で、前述のゆとりある老後生活費が38万円ほどと考えると、年金だけで余裕のある生活を送るのは難しいでしょう。無論、実際の年金受給額や裕福な暮らしの定義、それに伴う必要資金は人それぞれであり、平均的な生活に必要な資金は賄えると考えられます。
 
また厚生労働省のサイトでは、シミュレーターを使って将来受給できる年金額を試算できます。理想とする老後の生活水準と必要な資金に照らし合わせて、現実的に可能かどうか判断してみる方法がおすすめです。
 
受け取れる年金だけで裕福な生活が送れないと判断した場合は、老後に向けた資産形成が必要になります。理想の生活に必要な資金と受給できる年金額を詳しく把握したうえで、必要に応じて資産形成を試みるのが得策です。
 

年金の平均受給額だけで判断すると、裕福な暮らしは厳しい

年金の平均受給額と必要な生活費を考慮すると、裕福な暮らしを送るのは難しいでしょう。なぜなら国民年金の受給満額は月6万8000円で、国民年金を含めた厚生年金の平均受給額は男性で約16万円、女性で約10万円だからです。裕福な暮らしには、38万円ほどの生活費が必要とされています。
 
年金の受給額や裕福な暮らしの定義、それに伴う生活費は人それぞれです。より正確に判断するには、将来的に受給できる年金額をシミュレーターで試算してみる方法がおすすめです。受給できる年金額が理想の生活費に届かない場合は、資産形成などを考えていく必要があります。
 

出典

公益社団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 公的年金シミュレーター使い方ホームページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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