更新日: 2024.05.15 セカンドライフ
55歳、貯金は500万円しかありません。老後のための2000万は絶対必要なのでしょうか?
本記事では日本の平均寿命が84歳と年々伸び傾向にあるため、余裕をもって100歳まで生きたときに必要となってくる老後資金額と65歳以上の方が現在貯金している額について紹介します。のびのびとしたセカンドライフを送るために、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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65歳以上の単身無職世帯に必要な老後資金額
統計局の調査による「65歳以上の単身無職世帯の家計収支(1ヶ月)」の結果を図表1にまとめました。
図表1
実収入 | 消費支出 | 不足分 (可処分所得―消費支出) |
---|---|---|
126,905円 | 145,430円 | 30,768円 |
※統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
65歳以上の単身無職世帯は、実収入のうち年金などの社会保障給付が11万8230円で約93%を占めていますが、税金や社会保険料などがかかってくるので消費支出として使える可処分所得は114,663円となります。
そのため消費支出の全てをまかなうことはできず、老後の生活で毎月3万768円の不足金が発生します。1年間で36万9216円不足するので、100歳まで生きるとしたら35年間で約1292万円の老後資金が必要になります。
65歳以上夫婦のみの無職世帯に必要な老後資金額
統計局の調査による「65歳以上夫婦のみの無職世帯の家計収支(1ヶ月)」の結果を図表2にまとめました。
図表2
実収入 | 可処分所得 | 消費支出 | 不足分 (可処分所得―消費支出) |
---|---|---|---|
244,580円 | 213,042円 | 250,959円 | 37,916円 |
※統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
65歳以上夫婦のみの無職世帯は、実収入のうち年金などの給付金が89.3%を占めています。しかし、税金や社会保険料などがかかってくると消費支出として使える収入は21万3042円となります。
そのため消費支出でまかなうことはできず、老後の生活で3万7916円の不足金が発生します。1年間で45万4992円不足するので、100歳まで生きるとしたら約1590万円の老後資金が必要になります。
65歳以上の世帯(2人以上)の現在の貯金額について
統計局の調査による「2人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の世帯貯蓄現在高階級別世帯分布」を基に図表3にまとめました。
図表3
現在の貯金額 (2人以上の世帯のうち65歳以上の世帯) |
割合 |
---|---|
500万円未満 | 21.2% |
500万円以上2,000万円未満 | 36.3% |
2,000万円以上 | 42.5% |
※統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2022年(令和4年)結果の概要(2人以上の世帯)」を基に筆者作成
世帯主が65歳以上の世帯で、現在貯金している額が500万円未満が約2割で、500万円以上が約8割とほとんどの高齢者は老後生活のために500万円以上の貯金をしています。
余裕のあるセカンドライフを送ろう!
老後生活でかかる消費支出は、年金などの給付金だけではまかなうことができません。65歳以上の単身無職世帯に必要な老後資金は約1292万円、65歳以上夫婦のみの無職世帯に必要な老後資金は約1590万円です。
しかし、60歳で定年退職した場合、65歳までの5年間の生活費がかかるためさらに高くなってくるでしょう。老後資金は自分で描く理想の老後生活や寿命によって人それぞれ変わってきます。長生きするうえで、医療費や介護費などの急な出費が出てくる可能性もあるでしょう。
そのため自分のライフプランと急な出費に備えて、2000万円以上は貯金した方がいいと思われます。充実したセカンドライフを送るためにも余裕をもってコツコツと貯めておきましょう。
出典
統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
統計局 家計調査報告(貯蓄・負債)2022年(令和4年)結果の概要(2人以上の世帯)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー