1人暮らしで生活費は「月20万円」ですが、老後は年金だけだと厳しいですか? 住居は「賃貸」ですし、できるだけ働き続けるべきでしょうか…?

配信日: 2024.05.30

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1人暮らしで生活費は「月20万円」ですが、老後は年金だけだと厳しいですか? 住居は「賃貸」ですし、できるだけ働き続けるべきでしょうか…?
賃貸・1人暮らしであれば、だいたい20万円程度の生活費がかかります。現役の間は問題なくても、リタイアして年金収入のみで暮らすとなると「今のままで足りるのか」「年金を月20万円ももらえるだろうか」と不安に感じる人もいるでしょう。
 
この記事では、老後の生活費や年金受給額の平均などのデータから「老後は月いくらの生活費が必要か」「生活費を抑える方法はあるか」を解説します。退職が近づいてきている人はぜひ参考にしてください。

老後生活は年金だけでは厳しい?

老後の生活は年金に加えて、労働で得た収入やこれまでの貯金などを活用する必要がありそうです。
 
総務省統計局の家計調査によれば、65歳以上の単身世帯の消費支出は14万5430円でした。税金や社会保険料も含めると、毎月の支出は平均15万7673円と20万円を下回ります。
 
しかしこの中には持ち家世帯も含まれており、平均支出額に含まれる住居費は1万2564円とかなり低くなっていることから、賃貸住まいの場合の支出は数万円上乗せされると考えられます。
 
そうなると年金20万円だけではやや心許なく、貯蓄を切り崩したり働いて収入を得たりしなければならないといえるでしょう。
 
とはいえ、老後に働くのは年齢面や体力面を考慮すると想像以上に大変なケースもあります。現役時代に貯蓄に励むのはもちろん、生活費を見直し支出を減らすなどの工夫が必要です。
 

月20万円の年金を受け取るには年収がいくら必要?

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」よると、厚生年金受給者の基礎年金を含む月額平均給付額は14万4982円です。月20万円の年金を受け取るには、国民年金を満額受給し、年収をアップして厚生年金受給額を上げる必要があります。
 
月20万円の年金を受け取るには、年間の年金受給額が以下の金額でなければなりません。


・国民年金:81万6000円(2024年度満額)
・厚生年金:158万4000円

厚生年金の比例報酬部分を年間158万4000円受け取るための年収額を計算してみましょう。ここでは40年間厚生年金を納めたと仮定します。


厚生年金額(年間)÷5.481×1000÷480月(40年)=必要月収
158万4000円÷5.481×1000÷480=60万2080円
60万2080円×12ヶ月=722万4960円

よって、毎月約60万円、年にして約720万円の収入を40年間もらい続けなければなりません。国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、国民の平均年収は458万円ですから、公的年金のみで月20万円の収入を得ることはかなりハードルが高いといえます。
 

月20万円の収入を確保するには?

老後も月20万円で生活していくには、労働収入を増やしたり生活費を抑えたりする必要があります。
 
前述のとおり、国民年金と厚生年金の月額平均給付額は14万4982円です。もしパートやアルバイトで収入を増やすのであれば、月5万円以上は稼ぎたいところです。
 
生活費を抑えるのであれば、通信費や家賃といった固定費を見直しましょう。特に通信費は比較的削減しやすく、負担が減るのを実感しやすいです。
 
スマホを持っているなら固定電話の契約を解除したり、スマホの料金プランを見直したりすれば、料金が大きく下がる可能性があります。格安SIMなどスマホキャリアの乗り換えも検討しましょう。
 

老後も「月20万円」受け取るには工夫が必要

公的年金だけで月20万円を受け取るには、高額な給料を毎月受け取らなければなりません。現役時代から貯蓄や個人年金といった老後の資産づくりをするなどの工夫が必要です。
 
また、生活費を抑える努力もしてみましょう。毎月かかる固定費を見直すだけで、月に数万円のお金を違う使い道にまわせます。リタイア前から生活費の抑制や貯蓄づくりに励み、万全の体制で老後の生活を迎えましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告 〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要
日本年金機構 日本年金機構の主要統計(令和4年度版)
国税庁 令和4年度分民間給与実態統計調査
 
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP

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