更新日: 2024.05.31 その他老後

独身「年収600万円」の会社員。将来は「年金だけ」で生活できる? 年金受給額・必要な貯金額とあわせて解説

独身「年収600万円」の会社員。将来は「年金だけ」で生活できる? 年金受給額・必要な貯金額とあわせて解説
老後の生活について、金銭的な面で不安を感じている人は多いと思います。年金だけで生活できるのか、貯金はいくら必要なのか、具体的に分からないと老後の生活がイメージしにくいです。
 
「年金の収入がいくらになるのか」や、「老後の平均的な支出」について分かれば、老後の生活がイメージしやすくなることでしょう。
 
そこで本記事では、事例として平均年収600万円の会社員の年金額がいくらになるのかを解説するとともに、単身世帯の平均的な支出と比較して、老後に向けて貯金がいくら必要なのかを紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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年収600万円だと年金額は月額約17万円

会社員で厚生年金保険に加入している期間がある場合は、基本的に老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることが可能です。老齢基礎年金は20歳から60歳までの期間に支払った保険料と加入期間によって年金額が決まるので、すべての期間で保険料を納付すると満額の年金額を受け取れます。
 
老齢基礎年金は満額受給の場合、年間で81万6000円です。月額にすると6万8000円になります。
 
一方、老齢厚生年金は「老齢基礎年金の受給資格を有している人が厚生年金保険に加入している場合」に受給できる年金です。老齢厚生年金は報酬比例部分、加給年金、経過的加算で構成されています。ここでは報酬比例部分のみを計算して老齢厚生年金の年金額を考えます。
 
老齢厚生年金の計算式は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入期間(平成15年4月以降に厚生年金に加入している場合)」です。事例のとおり年収600万円の場合、単純に12ヶ月で割ると平均標準報酬額は50万円、加入期間は20歳から60歳までの38年とすると456ヶ月となります。
 
これをあてはめると、「50万円×5.481÷1000×456ヶ月=124万9668円」です。月額にすると10万4139円になります。老齢基礎年金の月6万8000円を合わせると、月の年金額は17万2139円です。
 

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消費支出は月額約14万円

次に、支出について考えていきます。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の平均的な消費支出は月額で14万5430円です。
 
本事例のように、月に17万2139円の年金を受け取れる場合は2万6709円の黒字となるため、年金だけでも生活できそうです。
 
もっとも、住居費については持ち家か賃貸かで支出が変わり、医療費や介護費といった費用も単身者の場合は自身で準備しておく必要があります。そのため、年金以外に貯金は準備しておいた方がよいと言えるでしょう。
 
また、厚生労働省保険局調査課の「医療保険に関する基礎資料~令和3年度の医療費等の状況~」によると、年齢階級別にかかる医療費は、65歳から69歳が226万円、70歳から74歳が271万円、75歳から79歳が306万円です。
 
65歳から69歳の医療費が3割負担だとすると実際に支払う金額は67万8000円、70歳から79歳が2割負担だとすると115万4000円になります。この合計は183万2000円となることから、これを目安に、医療費として200万円ほどの貯金を用意すると考えても良いかもしれません。
 

老後生活をシミュレーションしてみましょう

平均年収600万円の会社員の年金額と平均的な消費支出を考えると、年金だけで平均的な生活はできそうです。しかし、住居費は持ち家か賃貸かで支出が大きく変わります。年金生活になる前に、老後の住居をどうするかも考えておきましょう。
 
また、年齢が上がるにつれて医療費の負担や介護費の負担は大きくなっていくことが予想されます。具体的には、医療費として約200万円の貯金をすることがひとつの目安となるでしょう。なお、老後の状況はそれぞれ違うため、年金生活になる前からご自身の老後生活をシミュレーションしておくことをおすすめします。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要
厚生労働省 医療保険に関する基礎資料~令和3年度の医療費等の状況~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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