更新日: 2019.01.11 介護
2025年、約5人に1人は認知症になる・・調査データから読み取る今からできる対策
そうなると、自分を含め身近な人が認知症になることが当たり前の時代が目の前に来ているといっても過言ではありません。
今回は、認知症に関する調査結果から浮き出る悩みや実態を踏まえて、今からできる対策について考えてみましょう。
Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。
みんなは認知症に対してどう思っているの?
9月21日の世界アルツハイマーデーおよび世界アルツハイマー月間に合わせて、SOMPOホールディングス株式会社が「認知症に関する調査結果(2018年8月)」を行いました。
対象は全国の30代から50代の男女1,042名です。
この結果を見ますと、自分が高齢者になった時の一番の不安は、「収入」という方が44.6%。
そして「認知症や介護が必要な状態になること」と答えた方が34.9%となっています。
まだ若いうちから認知症や介護に対しての不安を抱える方がかなり多いことがうかがえます。
認知症になると家族は目が離せなくなり、つきっきりで介護が必要になることも少なくありません。
ですが、認知症について家族と話したことがあるか、という問いに対しては、「話したことがない」という方が56%で半数以上を占めています。
さらに、なぜ話したことがないかという問いには「必要だとは思うが話すきっかけがない」という方が43%と最も多く、認知症に対して漠然とした不安を抱えながらも身近な問題として捉えられていないのでは、という結果が浮かびあがってきました。
認知症になった時に備えてお金の準備をしている?
前述の調査では、認知症に備えてお金の準備をしているか、という項目もあります。
まだ若い世代に対しての調査ですので、自分の親が認知症になった場合、自分自身が認知症になった場合、それぞれで費用の備えをしているかを聞いていますが、どちらの問いに対しても「費用の準備をしている」と答えた方は約1割にとどまりました。
認知症のリスクは認識しているものの、自分の生活に関わる費用や教育費、住宅ローンなど支出が多い世代ですので、なかなか認知症の費用までお金が回らないのではないでしょうか。
認知症に備えるにはどんな方法があるか
少ない費用でリスクに備えるためには、保険を活用する方法もあります。
最近は、認知症に備えるための保険も生命保険各社が発売しています。
例えば、認知症と診断された場合に認知症一時金を出すものや、要介護認定に合わせて介護一時金を出すものが一般的な商品です。
その中で、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社の「リンククロス笑顔を守る認知症保険」では、認知症は早期発見、早期治療が重要で、MCI(軽度認知障害)の段階なら回復したり発症を遅らせたりすることができることに着目し、初めてMCIと診断確定した場合に軽度認知障害一時金が出るという内容になっています。
また、太陽生命の「ひまわり認知症保険」は契約1年後から2年ごとに認知症予防に利用できる予防給付金を受け取ることができます。
生命保険に関しては、認知症になる前から備えるという新しい流れができているようです。
もちろん、認知症では公的な介護保険も要介護度に合わせて利用できます。
また、若くして認知症になった場合でも40歳以上なら公的介護保険の対象です。
これらのサービス内容も理解した上で、家族をはじめとする身近な人と認知症について話したり、認知症に関する知識を得るよう動いたりすることが、まずは認知症に備える第一歩ではないでしょうか。
Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
DCアドバイザー