更新日: 2024.08.08 セカンドライフ

じきに定年ですが、定年後も「年収500万円」の再雇用で働きたいです。年収次第では「年金が減額になる」と聞いたのですが、本当ですか? いくらまでなら問題ないでしょうか?

じきに定年ですが、定年後も「年収500万円」の再雇用で働きたいです。年収次第では「年金が減額になる」と聞いたのですが、本当ですか? いくらまでなら問題ないでしょうか?
近年では老後2000万円問題がテレビなどでも取り上げられた影響もあり、定年退職後に再雇用などで働く人が増えています。しかし、再雇用で働きながら年金を受給する場合、受給額に注意しないと年金が一部停止・全額停止されることがあります。
 
せっかく働くなら年金とのバランスを考えて、全額受給できるようにしようと考える人は多いのではないでしょうか。本記事では年金が一部停止・全額停止されるケースについて解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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老齢厚生年金が支給停止されるケースについて

老齢基礎年金と老齢厚生年金は働きながらでも受給可能なので、再雇用などで働きながら受給している人も多いです。
 
ただし、老齢基礎年金は働きながらでも全額受給できますが、老齢厚生年金は給与次第で一部停止・全額停止される可能性があります。原則として毎月の給与(賞与を含む)と老齢厚生年金を足した金額が月50万円(令和6年度の支給停止調整額)を超えた場合は、支給停止の対象です。
 
具体的な老齢厚生年金の支給停止額は、次の式に年収や年金額を入れて計算します。


・給与(賞与含む)+老齢厚生年金=50万円以下 全額支給
・給与(賞与含む)+老齢厚生年金=50万円以上(給与+老齢厚生年金-50万円)×1/2

年収500万円では毎月の給与が500万円÷12ヶ月=約42万円になるため、老齢厚生年金が月8万円を超えているなら一部停止されます。具体的な老齢厚生年金支給額はそれぞれ違うため、地域の年金事務所などに確認してください。
 

年収500万円で老齢厚生年金月15万円ではどうなる?

年収500万円で老齢厚生年金月15万円では一部停止されますが、具体的にどれくらいの金額が停止されるのでしょうか。場合によっては仕事量などを調整しなければ、せっかく働いても手元に残る金額が少なくなります。
 
前記の計算式に各金額を当てはめて計算すると、次のようになります。
 
(給与約42万円+老齢厚生年金15万円-50万円)×1/2=約3万5000円
 
老齢厚生年金15万円-支給停止額約3万5000円=約11万5000円が支給額になります。注意点として、老齢厚生年金の額が高くなれば、支給停止額もどんどん高くなる点です。
 
再雇用で働く際には全体的なバランスも視野に入れて、支給停止にならないように勤務先と話し合いをするのも方法として挙げられます。
 

年金額の概算は公的年金シミュレーターでわかる

年金額の概算は厚生労働省の公的年金シミュレーターでもわかるため、気になる人は一度試してみてください。ある程度年金受給額について把握できていれば、再雇用の判断をする際に参考にできます。注意するべきは、あくまでも概算なので実際の支給額とは異なる可能性がある点です。
 
また、公的年金シミュレーターでは年金受給開始時点の税・社会保険料額の試算ができ、年金に対しての支出などもある程度わかります。ねんきん定期便が手元にあれば、二次元コードを読み込めば年金に関する過去の情報が自動的に入力可能です。
 

まとめ

再雇用でもらう給与の金額によっては年金が一部または全額が支給停止されるため、年金受給を始める前に確認しておきましょう。基本的には給与と老齢厚生年金の合計が月50万円を超えると支給停止の対象です。
 
具体的に受給できる年金額はそれぞれ異なるので、年金事務所などに相談・問い合わせしてください。概算なら公的年金シミュレーターで試算が可能ですので、一度使ってみるのもよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 公的年金シミュレーター
日本年金機構 働きながら年金を受給する方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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