更新日: 2024.08.15 セカンドライフ

両親の年金が「月30万円」と聞いて驚きました。生活はかなり“質素”なのですが、やはり老後の生活は厳しいのでしょうか…?

両親の年金が「月30万円」と聞いて驚きました。生活はかなり“質素”なのですが、やはり老後の生活は厳しいのでしょうか…?
離れて暮らす両親がどのような生活を送っているのかは、子どもとして気になるところ。特に収入が年金のみという場合は、なおさら心配ではないでしょうか。
 
かなり質素な生活をしていることを不安に思い尋ねてみたら、なんと「月30万円」も年金を受給していたとなれば、「そんなに多くの額を受け取っていても生活が厳しいのか」と驚くことでしょう。
 
本記事では夫婦で月30万円の年金が高額なほうなのか、老後の生活費はいくらくらいかかるのかなどについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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夫婦の年金受給額、月30万円は高いほう?

まずは夫婦が受け取る平均的な年金受給額を確認しましょう。老後に年金がいくらもらえるのかは、夫婦の働き方などによって異なります。
 
日本の年金制度は2階建てで、自営業者や会社員の配偶者の人などは国民年金に、会社員などは国民年金と厚生年金に加入しています。そして老後は、国民年金加入者は老齢基礎年金、厚生年金加入者は老齢厚生年金を受給可能です。
 
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老後に受け取る老齢基礎年金の平均受給金額は、男性で月額5万8798円、女性で月額5万4426円です。
 
また、老齢基礎年金を含む老齢厚生年金を受け取る場合、平均受給金額は男性が16万3875円、女性が10万4878円です。夫婦が共に厚生年金に加入していた場合、受給できる年金の平均は「16万3875円+10万4878円」で26万8753円となります。
 
夫婦によっては、片方が専業主婦(夫)で老齢基礎年金しか受け取れない場合もあります。夫婦で年金を30万円受給しているのは、平均よりも多い水準といえるでしょう。
 

夫婦で年金月30万円もらうには、現役時代いくらの収入が必要?

老齢基礎年金は、国民年金の納付月数や厚生年金の加入期間などに応じて決まります。一方、老齢厚生年金は会社員などで要件を満たした状態で働いた長さや収入の多さ次第です。
 
今回は夫も妻も毎月15万円ずつ年金を受け取り、老齢基礎年金を満額受給しているとします。老齢基礎年金は満額で月額6万8000円ですので、年金を15万円受け取るために必要な老齢厚生年金は8万2000円です。
 
老齢厚生年金はいくつか種類がありますが、大部分を占める報酬比例部分について計算していきましょう。報酬比例部分として受け取れる年金は、年額で次のとおりです。
 
・平均標準報酬額×(5.481÷1000)×加入月数
 
厚生年金の加入月数が480ヶ月(40年)と仮定すると、報酬比例部分が月額8万2000円超えるには、平均月収が約37万円必要です。つまり、夫婦それぞれが平均で月額37万円以上稼ぎ、40年間お互い働いた場合、おおよそ夫婦合計で年金を毎月30万円受け取れます。
 

65歳以降夫婦2人でどれくらい生活費はかかるの?

夫婦で毎月30万円年金を受け取っているからといって、老後の生活に必ず余裕があるとは限りません。とはいえ、平均的にはいくらくらいが相場なのでしょうか?
 
総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な支出は月額で28万2497円です。これだけみると、年金が毎月30万円あれば、毎月2万円くらいの余裕があるように見えますが、この金額はあくまでも平均です。
 
例えば、平均的な支出の約28万円のうち住宅費は1万6827円ですが、実際は賃貸の人もいれば持ち家の人もいます。賃貸の場合には家賃がかかるため、毎月の支出が平均金額よりも大幅に上回ることもあるでしょう。
 

月30万円年金があっても生活は必ずしも楽ではない

夫婦で年金を毎月30万円もらっている場合、平均よりも年金受給額は多いといえそうです。
 
とはいえ、年金を毎月30万円もらっていても、毎月の生活は必ずしも楽な場合ばかりではありません。両親の生活がどうしても気になる場合、思い切って生活費の内訳を確認し、なんらかのサポートを検討しても良いでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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