更新日: 2024.08.28 介護

【2024年8月1日から】父が「介護施設」へ移りたいと言っていますが、8月から「負担額が増える」と聞きました。月額いくらに上がるのでしょうか?

【2024年8月1日から】父が「介護施設」へ移りたいと言っていますが、8月から「負担額が増える」と聞きました。月額いくらに上がるのでしょうか?
高齢者が病院から介護施設へ移ったり、自宅介護から施設に入居したりするときに、入居する人の年金・貯金で施設での費用負担をまかなえるのか、入居する人と家族は気になるのではないでしょうか。
 
2024年8月から、介護施設に入居している人の負担額が引き上げられました。負担額が上がる人はどんな人なのか、月額いくらに上がるのか本記事で試算します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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介護施設での負担額が増えるのは、どんな人?

今回の改定の対象になるのは、公的な介護施設に入居している人やショートステイを利用している人のうち、図表1の第1段階から第3段階(2)までの所得者です。
 
図表1

図表1

厚生労働省 令和6年8月からの 特定入所者介護(予防)サービス費の見直しに係る周知への協力依頼について
 
公的な介護施設は、大きく分けて3つあり、それぞれ対象者やサービス内容が異なります。
 
(1)介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
 
自宅介護が難しい人向けの施設で、原則として要介護3以上
 
(2)介護老人保健施設
 
リハビリなどを行い、家庭への復帰を目指す施設で、要介護1以上
 
(3)介護療養型医療施設
 
医療を受けながらの長期療養ができる施設で、要介護1以上
 
民間の介護施設には、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などがあります。民間の介護施設利用者は、今回の改定対象ではありません。
 

負担額はどのくらい増える?

改定で負担額が上がったのは、家賃にあたる「居住費」の自己負担額で、日額60円の負担増になります。図表1の第1段階にあたる人が特養(介護老人福祉施設)や老健(介護老人保健施設)などでの多床室(1部屋に2人から4人)を利用する場合は、負担額は0円で変更はありません。
 
一例をあげると、特養などで従来型個室を利用した場合に、第1段階では日額320円が380円に変更され、第2段階では420円から480円に、第3段階では820円から880円になりました。
 
負担額増加の対象となる人は、1ヶ月を30日として計算すると月額1800円、年額では2万1600円の負担増となります。
 

要介護4では月額費用はいくら?

それでは、要介護4(自分だけで日常生活をおくることが難しく、常に介護が必要)の人が特養に入居した場合の月額費用がいくらになりそうか試算します。
 
<試算例>
 
要介護4で、所得が第2段階(年金収入額+合計所得金額が80万円以下、預貯金額650万円以下)で単身のAさんが特養の多床室(4人部屋)に入居したケースでの月額費用見込額(1ヶ月を30日、1単位10円として計算)

居住費:日額430円×30日=1万2900円
 
食費:390円×30日=1万1700円
 
介護サービス費用:802単位×10円×30日=24万600円
 
自己負担割合が1割なので、24万600円×10%=2万4060円
 
居住費1万2900円+食費1万1700円+介護サービス費用2万4060円=月額費用見込額4万8660円

この試算額はおおまかな計算で、実際の費用負担額とは異なります。費用負担がいくらになりそうかの目安としてください。
 

まとめ

今回の負担額改定は、施設の家賃にあたる「居住費」の自己負担額で、対象になるのは公的な介護施設に入居している人のうち、第1段階から第3段階(2)までの所得者です。負担額増加の対象となる人は、月額1800円、年額2万1600円の負担増になります。
 
病院の地域連携室や包括支援センターのケアマネジャーに相談して、入居する人の年金所得の範囲内で費用をまかなえる施設を選ぶことが望ましいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直しに係る周知への協力依頼について
独立行政法人福祉医療機構 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
独立行政法人福祉医療機構 介護老人保健施設
独立行政法人福祉医療機構 介護療養型医療施設
厚生労働省 介護報酬の算定構造
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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