更新日: 2024.09.11 セカンドライフ
独り身でローンなども組んでおらず、お金のかかる趣味もありません。「退職金」や「年金」を頼りに、老後に向けて貯金しなくていいでしょうか?
しかし、独身であれば養う家族もおらず、自分が生きていくために最低限必要なお金さえあれば大丈夫だと考えている人も少なくないでしょう。
本記事では、老後に必要なお金や、今後発生する可能性がある支出について解説します。本記事を参考にお金を十分に確保できているかどうか検討してください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
生活設計について
公益財団法人生命保険文化センターが18~79歳の男女個人を対象に実施した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」では次のような結果が出ています。
まず、具体的な将来の生活設計を立てているかという質問には、半数以上の方が「いいえ」と答えています。生活設計を立てられていない理由は「将来の見通しを立て難いから」「経済的余裕がないから」「将来より現在の生活が大切だから」という回答が多くみられました。
半数以上の方が具体的なことを考えていない現状ではありますが、一方で「はい」と答え、生活設計を立てている人は2016年より年々少しずつですが増加傾向にあるようです。年金が満足にもらえるのかどうかや、将来の不安などを理由に、老後の生活費を早い段階から確保する意識のある人が増えているともいえるでしょう。
老後に必要なお金
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月あたりの平均支出額は15万7673円です。消費の内訳は、食費や住居費、光熱費、などの消費支出、社会保険料などの非消費支出が含まれます。
一方、年金などの平均実収入は12万6905円です。支出額と比較すると、3万768円不足することが分かります。85歳まで生きると仮定すると、65歳からの20年で不足する額は738万4320円となり、この金額は貯金でまかなっていく必要があるでしょう。
しかし、これはあくまでも平均額であり、物価上昇や予期せぬ支出は考慮しない金額です。人生100年時代といわれていることもあり、85歳よりももっと生きる可能性もあるでしょう。そうなれば不足額も増加します。
予期せぬ支出にはどのようなものがあるか
働いている限りは毎月給料が支払われ、老後は年金ももらえるため、生活には不自由がないと感じる方もいるでしょう。しかしこれはあくまで「健康かつ予期せぬ支出がない」状態で成り立つものです。老後に限らず、人生で予期せぬ支出にはどのようなものがあるのでしょうか。
医療費
健康やけがはいくら気をつけていても防ぎきれない場合があります。医療費は医療保険が使えますが、高額な治療費がかかったり入院したりすれば、保険だけでは足りなくなります。さらに高齢になればさまざまな病気に関するリスクも高まるため、医療費は年を取れば取るほどかかるようになる恐れがあるでしょう。
家具家電の故障
冷蔵庫やエアコンなどの故障は、生活するために早急な対応が必要です。その他にも故障したら修理や買い替えをせざるを得ない家具・家電は多くあります。車を所有している場合は、故障や走行距離などを踏まえて買い替えをしたり、2年ごとに車検が必要だったりするでしょう。
住まいの修繕
家は経年劣化により、雨漏りや水回りのトラブルが起きる恐れがあります。トラブルを防ぐために、定期的なメンテナンスが必要です。その他にも高齢になれば、自宅をバリアフリー化させるためにリフォームを検討する場合もあるでしょう。
まとめ
老後は年金だけでやりくりするのも可能ですが、予期せぬ事態が起こらないとは言い切れません。お金がかかる趣味がないとはいえ、余裕のある暮らしができるようにある程度は備えておくといいでしょう。
最近は貯金だけでなく、私的年金制度の「iDeCo」や少額投資非課税制度の「NISA」などが気軽にできる老後の資金づくりとして注目されています。自分に適した方法で生活設計を立ててみてください。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(9,13ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー