「年金だけでは心もとない」と言って、年金をもらいながら働いている70歳の父。体が心配なのですが、同じような人って多いのでしょうか……?

配信日: 2024.09.11

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「年金だけでは心もとない」と言って、年金をもらいながら働いている70歳の父。体が心配なのですが、同じような人って多いのでしょうか……?
年金で生活している高齢者のなかには、経済的な理由から、年金に加え仕事をして得た収入も生活費にあてているという人がいます。本記事では70歳以上の高齢者の所得や労働の現状について解説します。高齢者に人気の職業も紹介するため、参考にしてみてください。
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高齢者の所得事情

内閣府が公表した「令和5年版高齢社会白書」によると、経済的な暮らし向きについて心配がないと感じている人の割合は、68.5%です。「心配がない」というのには、「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と回答した人が該当しています。
 
反対に「家計にゆとりがなく、多少心配である」「家計が苦しく、非常に心配である」と回答している人も31.2%いるため、年金所得だけでの暮らしが大変な人も少なくないことが分かります。
 
実際の所得から見ると、高齢者の収入はどれくらいなのでしょうか。同資料によると、全世帯の平均所得金額が564万3000円であるのに対し、高齢者の世帯は平均所得額が332万9000円です。全世帯平均のほうが平均世帯人員が若干多いものの、高齢者世帯の所得が大幅に少ないことが分かります。
 
年間332万9000円であれば、働かなくてもやっていけるのではないかと思う方も多いでしょう。しかし、高齢者世帯の所得の分布をみると、年間所得が150~200万円の世帯が最も多く、この金額で夫婦が暮らしていくのはやはり苦しいといえるでしょう。
 

高齢者の勤務実態

前述より、高齢者世帯の約3割が、生活に経済的な不安があることが分かりました。実際、高齢者の労働力人口は上昇傾向にあるようです。総務省統計局の「労働力調査 2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、2023年の労働力人口6925万人のうち65歳以上の高齢者の労働力人口は、930万人です。
 
なお、高齢者の労働力人口のうち、正規雇用で働いている人は126万人、非正規雇用で働く人は417万人です。この結果から、正規雇用で働き続けている人も少なくなく、年金受給対象となっても働いている人が多いことが分かります。また非正規雇用の割合が他の年代よりも多く、定年退職後に再就職して働いている人が多いことが想定されます。
 

高齢者はどのような仕事をしている?

一般的に高齢者に人気があるとされている職業をいくつかご紹介します。
 

接客業

接客業は人と話す機会もあるため、人と関わる機会もつくれることから、コミュケーションを取るのが好きな方に向いている仕事です。
 
ただし、基本的には立ち仕事であるほか、職場によっては品出しや荷運びなど体力を使う業務もあるため、不安な場合は事前に確認し、可能であればフォローしてもらうなどの対応を職場にお願いすることも必要でしょう。
 

警備

警備業は、年齢や経験に関係なく働けることが多く、事前に研修もあるため、高齢者でも始めやすい仕事といえるでしょう。しかし屋外での業務になる場合もあるため、体力や体調には十分配慮することが大切です。
 

清掃

清掃の仕事はマンションの共用部やショッピングモール、公共施設、オフィスビルなどさまざまなところに活躍の場がある仕事です。短時間で働ける仕事も多く、家事との両立がしやすいため、人気の仕事といえるでしょう。適度に身体を動かす仕事のため、体力づくりとして働くのもいいでしょう。
 

マンションの管理人

マンションに滞在し、巡回や簡単な清掃などをしながら建物の管理をする仕事です。人と関わる機会もあるため、人と話すのが好きな方におすすめです。また、平日の日中のみや週2日など無理のない範囲で働くこともできるでしょう。
 

健康のためにも無理なく働きましょう

前述より、「家計にゆとりがない」と金銭面の心配をしている方は31%ほどいることが分かりました。
 
高齢者は社会活動性や体力が低下するほか、臓器の機能が低下することからさまざまな病気のリスクが高まります。予防のためにも、適度な運動が重要です。仕事をすることで身体を動かしたり、通勤でウォーキングをしたりすれば、体力づくりになるでしょう。
 
無理のない範囲で、いきいきと生活するために自分にあった仕事をしてみてはいかがでしょうか。
 

出典

内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況 第2節 高齢期の暮らしの動向(1)
総務省統計局 労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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