更新日: 2024.10.14 定年・退職
「早期・希望退職を募集」というニュースをよく見ます。私は50歳手前で対象者になるかもしれないのですが、早期・希望退職をするメリット・デメリットはなんでしょうか?
早期退職や希望退職は、60歳や65歳などで定年退職するよりも、退職金制度の割り増しがあったり、失業給付金を早くもらえたりするなどの特徴があります。ただし、退職金制度の割り増しは企業によって異なり、事前に正確な詳細の確認が必要です。
本記事では早期退職の概要をはじめ、メリット・デメリットなどを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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早期・希望退職とは?
早期・希望退職は、定年よりも早く退職をする点は同じですが、特徴は異なるものです。
【早期退職】
従業員自身のタイミングで定年よりも前に退職できる制度で、企業内の人員構成や従業員のキャリア支援などを目的に実施しています。常時誰でも利用できる制度で、退職金の割り増しや再就職支援などの措置を受けられるのが一般的です。
【希望退職】
早期退職と同様に定年よりも前に退職できる制度ですが、企業の業績悪化や事業縮小などの理由で実施するのが一般的です。とはいえ、リストラとは異なるため、企業側が退職を強制することはできません。退職金の割り増しなどの条件を提示し、常時ではなく定められた期間内に限定して実施します。
早期・希望退職のメリット
早期・希望退職の主なメリットは以下の3点です。
・退職金が割り増しされる場合がある
・会社都合の退職となり失業給付金を早くもらえる
・転職や起業などのチャンスがある
退職によって収入を失いますが、制度をうまく活用すれば金銭面の不安を回避できるしょう。メリット別に内容を解説します。
退職金が割り増しされる場合がある
早期・希望退職によって退職金が割り増しされる場合があります。自己都合による退職の場合は退職金の割り増しはありませんので、企業の提示する条件がよければお得になる可能性が高いでしょう。なお、退職金の割り増しについては、事前に企業の提示条件を確認して、納得したうえで退職の手続きを進めてください。
会社都合の退職となり失業給付金を早くもらえる
自己都合退職の場合は、失業給付金の給付までに時間を要します。そのため、給付が開始されるまでの期間、生活費などを確保しておく必要があります。
一方、早期・希望退職の場合、会社都合の退職となるため、失業給付金を早く受け取ることが可能です。自己都合の退職に比べて、生活費の心配が少なくなります。
転職や起業などのチャンスがある
企業によっては、早期・希望退職後の転職先の支援を行っている場合があります。企業が提携する就職先紹介事業を介したり、グループ企業へ就職したりできれば、再就職先を探す手間が省けるでしょう。勤務歴や年齢、保有するスキルによっては、退職金をもらった後に安定収入を得られるかもしれません。
なお、再就職以外に、これまで経験したことを生かして、起業を視野に入れることも期待できます。
早期・希望退職のデメリット
早期・希望退職にはメリットだけでなくデメリットがあることも事前に把握しておきましょう。
・再就職できる保証がない
・定期的な収入がなくなる
退職金の割り増しがあったり、失業給付金をもらえたりしても、そのお金で一生涯暮らせる可能性は低いです。退職金や貯金を切り崩して生活することにならないためにも、計画的に早期・希望退職を進める必要があります。
再就職できる保証がない
早期・希望退職後に必ず再就職先が見つかる保証はありません。再就職に有利とされるスキルを保有していなければ、再就職の難易度が上がることを想定する必要があります。可能であれば、早期・希望退職の前に再就職先を見つけておくと安心です。
定期的な収入がなくなる
早期・希望退職によって、これまで定期的にもらっていた収入を失います。失業給付金を早いうちにもらえますが、いつか尽きてしまうので、ずっと頼ってはいられません。家族に協力を求めるなど、ある程度の期間は収入がなくても生活できるくらいのお金を用意してから早期・希望退職をしたほうがよいでしょう。
事前準備や確認を進めたうえで早期・希望退職を検討しよう
早期・希望退職は、退職金の割り増しや再就職支援といった措置を受けられたり、失業給付金を自己都合と比べて早くもらえたりするなどのメリットがあります。また、セカンドキャリアの形成として、独立や起業といった選択肢も広がるでしょう。
ただし、再就職先が決まっていない、十分な蓄えがないなどの場合は、早期・希望退職によって生活難に陥るリスクを高めます。早期・希望退職を視野に入れる際には、資格取得にチャレンジしておくなど自身のスキルを高めておくと安心です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー