「賃貸」暮らしの夫婦2人。老後“ぜいたく”しなければ生活できる貯蓄額とは?「2000万円」なくても大丈夫なの? 目安を解説

配信日: 2024.10.19

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「賃貸」暮らしの夫婦2人。老後“ぜいたく”しなければ生活できる貯蓄額とは?「2000万円」なくても大丈夫なの? 目安を解説
賃貸暮らしの場合、老後も継続的な家賃負担が続きます。夫婦2人の平均的な年金額とあわせて、貯蓄額はいくら必要なのでしょうか。今回の記事では、賃貸暮らしの夫婦2人が、老後にどれくらいの貯蓄額があればよいかの目安を解説します。1つの参考としてください。
小林裕

執筆者:小林裕(こばやし ゆう)

FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

65歳以上夫婦2人の可処分所得

総務省統計局が公表している家計調査報告(家計収支編)によると、2023年の無職世帯の65歳以上夫婦2人の可処分所得は、「21万3042円」が月平均額です。
 
65歳以上の場合、年金にて給付されるお金が主な収入源となり人が多いでしょう。この金額に対して平均的な支出はどの程度なのか次項以降で見てみましょう。
 

65歳以上夫婦2人の支出

総務省統計局が公表している2023年の家計調査報告(家計収支編)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の、家賃などの住居費を除いた月の平均支出額(医療費等含む)は「23万4132円」です。
 
前項にて紹介した同世帯の可処分所得「21万3042円」から差し引くと、すでに毎月「2万1090円」の赤字です。ここからさらに家賃負担が上乗せされるため、赤字額はさらに大きくなります。
 
また、総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査によると、65歳以上夫婦の1ヶ月あたりの家賃は「5万6076円」です。先ほど家賃を考慮せずに毎月「2万1090円」の赤字と記載しましたが、この家賃分を含めると毎月「7万7166円」の赤字となります。
 
ここまでの計算は総務省統計局のデータを元に単純計算しただけのものです。収入および支出は世帯それぞれで異なることが大前提ですが、「老後に向けて貯蓄をすることが望ましい」といえるでしょう。
 

老後に向けていくらの貯蓄があれば安心か

さて、前項にて老後は毎月「7万7166円」の赤字になると記述しましたが、老後までにどれだけの貯蓄があれば安心なのでしょうか。厚生労働省の令和5年簡易生命表によると、平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳です。ここでは夫婦ともに90歳まで生きると仮定して計算してみます。
 
65歳時点から夫婦それぞれ25年間生きることになりますので、「7万7166円×12ヶ月×25年=2314万9800円」の貯蓄があると、支出を賄える計算となります。あくまで平均的なデータをもとに計算したものですが、2000万円の貯蓄では足りないようです。また老後間近になって蓄えるには非常に大きな金額といえます。
 

老後の家計赤字への一般的な対策

前項にて、老後の家計が赤字になってしまう恐れがある旨を記載しました。ここからは、老後のゆとりある生活に向けた一般的な対策を紹介します。
 

老後に向けた資産形成

現在は老後に向けた資産形成の手段として、NISAやiDeCoといった有効な資産運用方法が確立されています。元本割れのリスクを理解した上で取り組む必要がありますが、長期・分散投資を前提に、資産運用を検討してみてください。
 

65歳以降も勤務し収入を得る

毎月の家計が赤字になってしまうのであれば、赤字分を補填(ほてん)するために働く手段もあるでしょう。もちろんいつまでも働き続けられる訳ではないので、一定の貯蓄を進めておく必要はあります。
 

出費を抑えた生活を送る

老後に向けた資産形成や、65歳以降の継続的な勤務が難しい場合には、出費を抑えた生活を送ることになるでしょう。この場合は生活満足度の低下が伴いやすく、ゆとりある生活にはなりづらいです。
 

まとめ

総務省統計局が発表しているデータをもとに計算すると、65歳以上夫婦が賃貸暮らしを続ける場合、平均として毎月「7万7166円」の赤字になることがわかりました。
 
老後に向けた資産形成や、65歳以降の継続的な勤務、出費を抑えた生活など、何かしらの対策を行う必要があるでしょう。なお、繰り返しにはなりますが、収入および支出は世帯それぞれで異なるため、本記事にて紹介したデータは1つの参考としてください。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査
厚生労働省 令和5年簡易生命表
 
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

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