更新日: 2024.11.06 介護

生活保護を受けている父親が「要介護」に…!生活保護受給者でも「老人ホーム」への入居は可能なのでしょうか?

生活保護を受けている父親が「要介護」に…!生活保護受給者でも「老人ホーム」への入居は可能なのでしょうか?
「生活保護を受給しているが、老人ホームなどの介護施設への入居はできるのだろうか」と不安になる方もいるでしょう。いざ介護が必要となったときに入居できないと、受給者とその家族双方の生活に支障が出てしまうかもしれません。
 
そこで本記事では、生活保護を受給していても老人ホームへの入居が可能であるかを解説します。生活保護の制度についても詳しく紹介しますので、生活保護の受給者が身近にいる方は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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生活保護制度と支給内容について

生活保護制度とは、金銭的な理由などから生活をすることが困難な方に対し、程度に応じた保護や自立を助長するべく支援する制度です。健康で文化的な最低限度の生活を保障することを目的としています。
 
保護費の決め方は、厚生労働大臣が定める基準で「最低生活費」を計算し、世帯収入と比較します。世帯収入が最低生活費に満たない場合、最低生活費から収入を差し引いた額が保護費として支給される仕組みです。
 
生活保護の支給内容を表1にまとめました。
 
表1

生活を営むうえで生じる費用 扶助の種類 支給内容
日常生活に必要な費用
(食費・被服費・光熱費等)
生活扶助 基準額は、
1.食費等の個人的費用
2.光熱水費等の世帯共通費用を合算して算出
※特定の世帯には母子加算などの加算がある
アパート等の家賃 住宅扶助 定められた範囲内で実費を支給
義務教育に必要な学用品費 教育扶助 定められた基準額を支給
医療サービスの費用 医療扶助 費用は直接医療機関へ支払
(本人負担なし)
介護サービスの費用 介護扶助 費用は直接介護事業者へ支払
(本人負担なし)
出産費用 出産扶助 定められた範囲内で実費を支給
就労に必要な技能の修得等にかかる費用 生業扶助 定められた範囲内で実費を支給
葬祭費用 葬祭扶助 定められた範囲内で実費を支給

※厚生労働省「生活保護制度」を基に筆者作成
 
日常生活で必要な費用(生活扶助)のほか、状況に応じて住宅扶助や医療扶助が支給されます。
 

介護施設の利用について

生活保護を受給していても、介護施設の利用は可能です。介護扶助対象者であれば、日常生活で必要な費用のほかに、医療扶助や介護扶助を受けられるでしょう。介護扶助の対象者を表2にまとめました。
 
表2

年齢 区分 費用負担割合
65歳以上の生活保護受給者 介護保険の第1号被保険者 介護保険給付9割
介護扶助1割
40歳以上65歳未満の
生活保護受給者
医療保険加入者 介護保険の第2号被保険者 介護保険給付9割
介護扶助1割
医療保険未加入者 被保険者以外の者 介護扶助10割

※横浜市「介護扶助について」を基に筆者作成
 
介護施設を利用するには、生活保護受給者が申請をします。介護サービスが必要であると認定された場合、生活保護法により指定を受けた介護機関からサービスを受けることとなります。
 
なお、生活保護受給者が介護施設を利用する際は、以下の点に注意してください。

●基本的に多床室の利用となる
●基準費用額を超える居住費(滞在費)や食費の提供はされない

生活保護受給者の場合、基本的には多床室を利用することになり、個室の利用は認められない場合があることを理解しておきましょう。
 
また、基準費用額を超える分を利用者に負担させることは認められていないため、生活保護を受けている方は、扶助の範囲内でサービスを受けることとなります。
 

生活保護を受けていても老人ホームへの入居は可能

生活保護を受けていても、老人ホームなどの介護施設への入居は可能です。生活保護もそのまま受給できるうえ、対象であれば介護扶助の利用もできるでしょう。
 
ただし、介護扶助を受ける場合は、生活保護法で指定を受けた介護機関からサービスを受けます。多床室の利用になる点や、基準費用額の範囲内でのサービスとなる点は理解しておきましょう。
 
生活保護の申請や相談は、住んでいる地域の福祉事務所でできます。不明な点や不安なことは相談して利用しましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
横浜市 介護扶助について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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