転職を繰り返す28歳同居息子。家に月5万円入れてくれていますが、自分たちの老後資金が心配です。家族3人、どのように家計をやりくりしたらいいですか?

配信日: 2024.11.15

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転職を繰り返す28歳同居息子。家に月5万円入れてくれていますが、自分たちの老後資金が心配です。家族3人、どのように家計をやりくりしたらいいですか?
Aさんは50代会社員、妻はパート勤務です。同居している28歳の息子さんがいるのですが、転職を繰り返し、定職を見つける様子も結婚する様子もなく、このまま3人で暮らしていくことになりそうだとのこと。
 
息子さんは家には毎月5万円ほど入れてくれますが、定年後の生活も心配とのことです。どのような解決策があるか、考えてみましょう。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

今の預貯金の取り崩しで、老後の生活が賄えるかを確認

定年後の暮らしについて、一般的に年金だけで賄うことは難しいため、預貯金の取り崩しなどでどの程度賄えるのかを確認することが大切です。以下の手順で、一つずつ確認しましょう。


1. ねんきん定期便でどのくらいの年金が受けとれるのかを確認
2. 預貯金残高を確認

ねんきん定期便のサイトでは、「何歳までどのくらいの給与で就労を続ければ、どれだけ年金が増えるか」「何歳まで支給開始年齢を遅らせればどれだけ増えるか」といったように、さまざまなバリュエーションで見込み受給額のシミュレーションができるようになっています。
 
定期的に確認されるといいですし、あらかじめ、「年金受給額をこのくらいまで増やしたいなら、このように働き続けなければならない」などと目標の設定にも使えます。
 
預金残高についても、定期的に確認しましょう。生命保険会社などの個人年金プランに加入していることを、忘れている場合もあるかもしれません。
 

老後の収支の見通しが立てられたら、家族で話し合う

見直しが終わったら、必ず家族で話し合いましょう。その際には、息子さんも交えて、現状を理解してもらうことが大切です。日本では、お金の話を子どもにするのは何となくタブーという風潮が根強くあります。
 
しかし、自分たちの家計のことは、いつか必ず向き合わなければなりません。包み隠さず、「どういう状況で、このままいくと、○○歳時点で預貯金の取り崩し分がなくなる」というところまで説明しましょう。
 
子どもにとって親は、いつまでも「自分の前を走っている先輩」と思いがちで、特に同居していると、学生時代から何も変わっていないと錯覚してしまう人も多いでしょう。しかし、危機感を共有することで、息子さんの意識も変わることが期待されます。
 

実行可能な取り組みから始める

現状と将来が家族間で共有できたら、最悪の事態を回避するために「実行可能な」取り組みから始めましょう。
 
どの家庭でもおおむね共通する、最も現実的で実行可能な取り組みは「就労の継続」です。たとえ時間が短くなっても、また給与水準が現役時代から下がったとしても、継続していれば収入が入ってきます。
 
これまで働いて得たスキルを生かせるところで勤務を続ければ、スキルがさびついてしまうこともないですし、人間関係も維持できます。もっと働きやすい勤務先を紹介してもらえる可能性もあります。
 
定年だからといって仕事を辞めてしまうと、あっという間にスキルは時代遅れになってしまいますし、今まで培ってきたネットワークも「今働いていないのなら」ということでさびついてしまいます。
 
家族で「老後も健やかに暮らす」「そのために不足分をみんなで補う」という目標を共有しているので、ストレスをお互いに発散させることもできるでしょう。
 

地元行政の広報誌やホームページは定期的にチェックする

最後に、地元の広報誌や行政のホームページを定期的にチェックすることの習慣づけをお勧めします。独自の支援策や助成金などの情報で申請できるものがあるかもしれません。
 
定期的にチェックをしていれば、利用できるサービスが見つかる可能性もあるでしょう。特に、老後に向けて住宅をバリアフリーに改築する必要がある場合などは早めに計画して、有効な助成金があるかないかを確認しておきましょう。ありきたりのことの積み重ねが、家計をうまく乗り切るコツです。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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