更新日: 2019.06.13 セカンドライフ
老後資金の準備する事も大切だが、もっと大切なキャリアアップと長く働くこと
日本の公的年金の崩壊が心配されていますが、これは何も日本の問題に限らず、寿命の延びている国々の共通の課題です。リタイア前に老後資金の準備をすることはとても大切ですが、もっと大切なことはキャリアアップと長く働くことなのです。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』 https://www.voicemarche.jp/advisers/781
長寿大国日本で生きる“覚悟”
老後の人生や生活を考える時に、親や祖父母の生活をベースに考えてしまうものです。一般的に無意識に考えるのは身近な人の人生。しかし、大きく価値観を変えなくてはならないのが、「老い」に関してなのです。
なぜならば、医学や化学の進歩で、世界的に「平均寿命」が延びています。私たちの住む日本は、その中でも世界一の長寿国であると同時に、「老後の人生問題」について、世界中で一番早く解決しなくてはならない国なのです。
老後の人生は、何もお金だけが課題ではありません。人生そのものが豊かであることが大切です。ですから、健康で、内面的にも充実して、常に新しい情報や価値観を吸収し、イキイキと過ごすことが何よりも大切です。しかし、これらを成し遂げるための多くの場合に「お金」がついて回ります。
老後が長くなった今、私たちは「一日でも長く働いて収入を得ること」を考えながら生活する必要が出てきたと考えられます。
キャリアアップは大切なライフシフト
人生が長くなり、「教育 仕事 ⇒ 引退」という概念が薄まりつつあると言われています。しかしそうすると、新しい価値観が生まれてきます。仕事の部分が長くなり、その合間にさらにスキルアップを図る「教育」に費やす時間が増えます。
実際私は、離婚を機に、キャリアアップのために資格を取得しました。さらにその専門性を高めるために、今でも必要に応じて資格を取得しています。私の場合は、やむを得ずこのようになりましたが、これからの時代には、適しているのかもしれません。
退職した時だけではない雇用保険の使い方
会社員の皆様は雇用保険に加入しているかと思いますが、雇用保険の中にキャリアアップを応援する制度があります。
<一般教育訓練給付金>
社会人1年目の人からを対象にした教育給付金です。何度でも受講は可能ですが、2回目以降は3年以上、通算して雇用保険に加入していることが条件です(退職した場合は1年以内なら対象)。
この制度は、多種多様な講座を受講することができます。厚生労働省のHPを検索すると『教育訓練給付金制度の講座指定について』という項目があり、その指定講座に申し込みをすると、学費の20%(上限10万円)が免除されます。通信やDVDでも、仕事帰りに通学もできる講座が用意されていますので、働きながらステップアップできる、ありがたい制度です。
<専門実践教育訓練給付金>
より専門性の追求をしたい、本格的に転職をして「スキルアップ=収入アップ」を図りたい方に適した給付金です。社会人2年目からが対象となります。
この給付金が受給できる講座は、中には昼間制のものや長時間、ある程度の期間が必要なものが多いので、働きながら通学するのは難しい場合もあります。失業中の方には「教育訓練支援給付金」という制度もあり、基本手当の80%の支給(条件有)がある場合がありますので、ハローワークに相談してみてください。
専門実践教育給付金は、受講前には50%(制限有)、受講後には70%(制限有・受講前に受け取った金額を差しひいて)受給されます。受講講座は、ハローワークのHPで確認してください。
参考URL:教育訓練給付制度 ハローワーク
これからの時代は、転職だけではなく、戦略的に自らのスキルアップを図っていくことも必要かもしれません。そのためには、公的年金のひとつである、雇用保険制度も上手に使ってみてください。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー