年金や貯蓄に不安がある方!老後生活を成り立たせるには、一生懸命働くこと

配信日: 2019.02.05 更新日: 2019.06.28

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年金や貯蓄に不安がある方!老後生活を成り立たせるには、一生懸命働くこと
老後は公的年金と多少の貯蓄があれば暮らしていけるのでしょうか?それとも公的年金と貯蓄だけでは足りず、働き続けなければならないのでしょうか?漠然とした不安を少しでも和らげるために、現在既に年金を受給している人で働いている人がどのくらいいるのかを確認してみました。
 
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

厚生年金等受給者の3割程度は働き続けている

厚生労働省年金制度基礎調査では、日本年金機構が支給する老齢年金の受給者を対象に年金や生活に関する調査をしています。その調査結果から年金受給者本人の就業状況について、厚生年金や共済年金の有無で分けて男女別に表にしてみました。
 
最初は厚生年金や共済年金も受給している男性の就業状況に関する表です。
(↓図表-年金制度の資料1)

 
厚生年金や共済年金も受給している男性では、35.0%が就業あり(仕事で収入あり)で57.3%が就業なしと回答しています。
 
就業の内訳としては正社員として常勤している人は少なく、パート・契約社員・嘱託等で常勤している人や、自営(農業を含む)が多くなっています。同じ年金受給者でも年齢階級によって就業状況にはかなり違いがあります。
 
就業ありの割合は、65歳未満(70.9%)や65歳~69歳(52.5%)では半数を超えていますが、年齢が上がっていくに連れて就業している人が減り、85歳~89歳では8.0%、90歳以上では4.3%しかいません。90歳を超えて仕事をするのは非常に大変でしょうが、自営を中心に意外と多くの人が働いています。
 
次は厚生年金や共済年金も受給している女性の就業状況に関する表です。
(↓図表-年金制度の資料2)

 
厚生年金や共済年金も受給している女性では、就業ありが22.8%就業なしが65.6%となっています。男性よりも就業ありの割合は少なく、男性と同様に年齢が上がるにつれて就業ありの割合が減っています。女性の就業はパート・契約社員・嘱託等で常勤している人が多く、正社員として働いている人はかなり少ないです。
 

国民年金受給者は自営で働きながら受給している人が多い

次の表は国民年金(厚生年金・共済年金なし)を受給している男性の就業状況に関する表です。
(↓図表-年金制度の資料3)

 
国民年金を受給している男性では、就業ありが42.2%就業なしが48.3%となっています。就業がある人では自営が圧倒的に多く、正社員等はほとんどいません。国民年金は主に自営業者が加入しているので、当然の結果と言えます。
 
年齢階級別では65歳未満で就業なしは僅か13.6%、65歳~69歳でも29.7%しかいません。70歳代でも就業なしは40%台に留まっており、国民年金受給者では70歳代になっても多くの人がまだ働き続けていると言えます。自営は基本的に定年がないので、働けるうちは働く人が多いのでしょう。
 
最後に国民年金(厚生年金・共済年金なし)を受給している女性の就業状況に関する表です。
(↓図表-年金制度の資料4)

 
国民年金を受給している女性では、就業ありが15.8%就業なしが71.0%となっています。今回の4つの就業状況の中では最も就業なしの割合が高いです。就業がある人では男性と同じくほとんどが自営で、正社員やパート等の仕事をしている人はかなり少数派です。
 
年齢階級別では年齢が上がるに連れて就業ありが減り、就業なしが増えています。65歳~69歳では就業ありが33.0%ですが90歳上になると3.1%しななく、年金受給者でも年齢によって差が約10倍にもなります。
 
公的年金の受給額は厚生年金や共済年金もある方が多くなります。そのため国民年金受給者は少ない年金でやりくりしていかなければなりませんが、自営であれば定年がないので、不足する老後の資金は働き続けることで確保することも十分可能です。一生懸命働いて将来は不安のない楽しい生活を送れるようにしましょう!
 
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
 

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