将来の親の介護費用が心配です。子どもの私はいくら貯金しておけばよいでしょうか。

配信日: 2024.12.24

この記事は約 4 分で読めます。
将来の親の介護費用が心配です。子どもの私はいくら貯金しておけばよいでしょうか。
親の介護に対して不安を感じている方は少なくありません。将来的に必要な費用や貯金の金額は、多くの人が直面する悩みです。本記事では、親の介護に関する不安や費用の目安、事前に話し合っておくべきことなどを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

親の介護に関するアンケート結果

ここでは、SOMPOひまわり生命保険株式会社が行った「介護とお金に関する調査報告」より、親の介護に対する不安を表1にまとめました。
 
表1

自分や家族の仕事との両立 64.3%
認知症など精神的な疲労 50.3%
経済的に十分な環境の準備 48.7%
過酷な介護による体力 33.8%
自分以外で介護する家族や親族がいない 28.9%
自分の子どもたちへの負担 14.9%

出典:SOMPOひまわり生命保険株式会社「介護とお金に関する調査報告」より筆者作成
 
また、介護により子どもに負担をかけないよう、準備を行っているかどうかの質問に対しては、特に準備をしていないという回答が65%にも上りました。
 

親の介護にかかる費用の目安

生命保険文化センターが行った調査によると、介護にかかる平均月額費用は、在宅で4.8万円、施設で12.2万円です。詳細を表2にまとめました。
 
表2

1万円未満 4.3%
1万~2万5000円未満 15.3%
2万5000~5万円未満 12.3%
5万~7万5000円未満 11.5%
7万5000~10万円未満 4.9%
10万~12万5000円未満 11.2%
12万5000~15万円未満 4.1%
15万円以上 16.3%

出典:生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」より筆者作成
 
金額の詳細な割合をみてみると、15万円以上と回答している人が最も多いことが分かります。介護期間は平均5年1ヶ月といわれているため、5年1ヶ月分の費用を準備するとなると、在宅の場合はおよそ292万8000円、施設の場合は744万2000円が必要になる計算です。決して少ない金額ではないため、自身の生活が圧迫されないよう事前に親と話し合いを行い、費用面についてどれくらい負担できるかを伝えておくとよいでしょう。
 

親に確認しておくべきこと

親の介護費用が心配であれば、早い段階で親とコミュニケーションを取っておくことが大切です。ここでは、介護が必要になる前に親に確認しておくべきことを紹介します。
 

どのような介護を希望しているか

どのような介護を受けたいか、どのようなサポートを望んでいるかを親と話し合っておくとよいでしょう。例えば、自宅で介護を受けたいのかどうか、施設に入ることを考えているのかどうかなど、介護のスタイルに関する意向を明確にしておくことが大切です。
 
親が「子どもに介護してほしい」と希望しているとしても、自身の生活や仕事を考えると、親の希望を100%かなえることは難しい場合もあります。親の希望を尊重しつつ、自身の生活状況や意向を踏まえたうえで、どのように介護を行うかを話し合うことが必要です。
 

親の経済状況・保険加入状況

親の介護費用は親自身が支払うものと考えがちですが、親の経済状況や加入している保険の内容によっては十分にまかなえない場合もあります。介護費用をカバーするために支援が必要になるケースも考えられるため、親の経済状態や保険加入状況を事前に確認しておくことが欠かせません。
 
親とお金の話をすることに対して抵抗を感じる人は多いかもしれませんが、将来の不安を減らすためには事前確認が大切です。親がどれほどの資産を持っているか、どれほどの介護費用であれば自身で支払えるのかを把握しておくと、親の介護に備えた計画を立てられます。また、公的な介護保険に加入している場合には、条件や保障内容をあらかじめ確認しておくことで、将来の負担を軽減できる可能性があります。
 

親の介護費用を全額負担するなら約290万から750万円の貯蓄が必要

親の介護に備えるためには、早期の準備が不可欠です。介護にかかる費用を全額負担する場合、在宅介護では約292万円、施設介護では約744万円の貯金が必要になることが分かりました。介護の負担が大きくならないよう、親が希望する介護の内容をはじめ、親の経済状況や保険加入状況を事前に確認しておくことが大切です。早い段階で親と話し合い、しっかりとした計画を立てて、いざというときに無理なく対応できるようにしましょう。
 

出典

SOMPOひまわり生命保険株式会社 【介護とお金に関する調査報告】
公益財団法人 生命保険文化センター 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集