「老後資金は2000万円必要」とよく耳にしますが、実際に2000万円以上の貯蓄がある60代は、どれくらいいるのでしょうか

配信日: 2025.01.29

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「老後資金は2000万円必要」とよく耳にしますが、実際に2000万円以上の貯蓄がある60代は、どれくらいいるのでしょうか
老後の生活資金について「2000万円必要」という話をよく耳にします。
 
実際に60代の方々がどれくらいの貯蓄を持っているのか、2000万円以上の貯蓄を持っている人の割合はどのくらいなのか気になる人もいるでしょう。そこで、この記事では、60代の貯蓄事情についてまとめました。

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60代の貯蓄の実態

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(2023年)の統計によると、60代の平均貯蓄額(金融資産を保有しない世帯を含む)は、2人以上の世帯で2026万円、単身世帯で1468万円となっています。
 
しかし、この数字だけでは実態を正確に把握することはできません。
 
それぞれの中央値(数値を大きい順に並べた際中心にくる値)を見てみると、2人以上の世帯では700万円、単身世帯では210万円で、平均値とは大きく懸け離れています。この差については、一部の高額資産保有者の存在が平均値を押し上げていると考えられます。
 
金融資産保有世帯に限定した場合も、平均値が2人以上の世帯で2588万円、単身世帯が2240万円であるのに対し、中央値は1200万円、1100万円と数値は上昇しますが、それでも中央値は平均値を大きく下回ります。
 

2000万円以上の貯蓄を持つ60代の割合は?

表1は、同データより60代の貯蓄額の分布をまとめたものです。
 
表1

2人以上の世帯(%) 単身世帯(%)
保有なし 21.0 33.3
500万円未満 19.6 22.7
500~700万円未満 7.2 3.5
700~1000万円未満 6.7 2.8
1000~1500万円未満 6.8 6.6
1500~2000万円未満 5.4 4.5
2000万円以上 30.0 23.1

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査/二人以上世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成
※無回答などを除いているため、合計は100%ではない
 
2000万円以上の貯蓄を持っている60代の割合は、2人以上の世帯で30%、単身世帯で約23%です。この結果から、60代の7割の世帯の貯蓄は、2000万円未満であることが分かりました。
 

老後資金には本当に2000万円が必要?

「老後資金2000万円」という言葉が一人歩きしていますが、これは、ともに無職の65歳以上の夫と60歳以上の妻という夫婦のみの世帯がモデルで、支出が収入を毎月5万円上回るために30年間で2000万円が必要、という試算に基づいたものです。
 
この数字は平均的な生活を送るうえで、公的年金に加えて必要となる可能性のある金額です。しかし、実際に必要な金額は個人の生活や健康状態、居住地域などによって大きく異なるといえるでしょう。
 

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老後資金を準備するには

2000万円の貯蓄は、低金利や物価上昇などで多くの世帯にとって難しい現実と言わざるを得ません。そこで、老後の資金を貯めるために今からできることを考えてみました。


・支出を見直す
・できる限り長く働く
・資産運用
・健康管理に注意する

無駄な支出を減らし、生活設計を見直すことに加え、定年後も働き続けることで収入を確保し、貯蓄を取り崩すペースを遅らせることが可能となるでしょう。
 
また、リスクを考慮した適切な資産運用を行ったり医療費の支出をおさえたりするために健康維持への意識も必要といえます。
 

2000万円以上の貯蓄がある割合は3割。老後資金の準備は早いうちに始めよう

2000万円以上の貯蓄がある60代の割合は、2人以上の世帯でも30%にとどまっています。しかし、老後の生活に必要な金額は人によって大きく異なるため、自分が希望する老後の生活を明確にし、計画的に準備を進めることが大切です。
 
また、貯蓄だけでなく、継続的な収入の確保や支出の見直しなど、早い段階から将来を見据えた準備を始め、柔軟に計画を調整することが安心できる老後への近道となるでしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)単身世帯調査
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)二人以上世帯調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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