80歳母の「介護施設」を探し始めましたが、基本的な知識がありません。親の資産は年金と貯金1000万円、どのように施設を選べばいいですか?

配信日: 2025.02.17

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80歳母の「介護施設」を探し始めましたが、基本的な知識がありません。親の資産は年金と貯金1000万円、どのように施設を選べばいいですか?
80歳の母親が入所するための介護施設を探し始めたAさんですが、介護施設の基本的な知識がなく、途方に暮れています。親の年金と貯金1000万円、どのような施設の選択肢があるか、FPがアドバイスします。
篠原まなみ

執筆者:篠原まなみ(しのはら まなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士

外資系証券会社、銀行で20年以上勤務。現在は、日本人、外国人を対象とした起業家支援。
自身の親の介護、相続の経験を生かして分かりやすくアドバイスをしていきたいと思っています。

介護施設の種類 (公的機関)

介護施設は、大きく分けると公的機関が経営しているところと、民間が経営しているところに分けられます。またそのなかにはで、介護度により利用できる施設が分けられます。公的機関のほうが、民間機関よりも費用が安い傾向があります。
 
特別養護老人ホーム(特養)は、公的機関ですが、耳にしたことがあるのではないでしょうか。費用が比較的安く、原則として要介護3注以上の重い介護状態の人を対象としています。安い(入居費用はかからず、月額費用は6万~15万円)ということで人気があり、地域によっては、待機者が多く、入所までに数年かかってしまうというところもあります。
 
他に公的機関が運営している施設としては、軽費老人ホーム・ケアハウスがあります。軽費老人ホームは、その名のとおり費用が安く、A型、B型、都市型、C型(ケアハウス)の4つがありますが、A型とB型は、現在は、新設を認められていません。C型(ケアハウス)には、「一般(自立)型」と「介護型」の2種類があります。
 
「一般(自立)型」は、家族による援助を受けることが難しく、自立した生活を送ることに不安がある60歳以上(夫婦の場合は、どちらか一方が、60歳以上であれば入居可能)の方が利用できます。受けられるサービスは、生活支援、緊急時の対応です。
 
一方、「介護型」は、介護度1以上の65歳以上を対象としています。生活支援・緊急時の対応の他、介護サービスも受けられます。介護度が上がっても退去する必要はなく、認知症や見取りの対応をしているところもあります。
 


 
注:要介護(1~5)、要支援(1、2)の2種類の認定があります。介護の度合いを客観的に判断し、数値化しているものです。日常生活においてどの程度の介護(介助)を必要とするかを表しています。
 

介護施設の種類 (民間機関)

民間の介護施設の代表的な施設として、介護付有料老人ホームがあります。介護付有料老人ホームには、介護専用型や混合型などがあります。
 

■介護専用型の入居対象者=要介護度1以上の方
■混合型の入居対象者=自立から要介護までのすべての方
(自立の段階で入居することになり、将来介護が必要になった際も、そのまま入居を続けることが可能)

 
似たような施設に住宅型有料老人ホームがありますが、こちらの施設は、ホームでは介護サービスを提供しておらず、入居者が要介護の場合は、訪問介護など住宅サービス事業者と契約をします。
 
有料老人ホームは、以下の内容により値段が大きく変わります。
 

・ホームがある場所
・設備
・部屋の広さ
・提供されているサービスの内容
・施設内にある調度品

など

 
入居一時金は0~数千万円、月額費用は15万~35万円です。また認知症に特化した施設として、グループホームがあります。少人数の家庭的な雰囲気で、共同生活ができる介護施設です。入居一時金は0~数千万円、月額費用は15万~30万円です。
 
なお、入居一時金を多く払えば、月額費用は少なくなります。また入居一時金は、入居期間により戻ってくることがありますので、施設のパンフレットをよく読んで、不明な点は、施設の人に質問をして、入居一時金をいくら払うのかを検討した上で契約をするようにしましょう。
 

まとめ

お住まいの地域包括センターに相談すれば、条件にあった施設を紹介してもらえます。その上でいくつか見学をしてみましょう。また、たいていの施設は、1泊2日から1週間程度、なかには1ヶ月間、体験入居もできる施設もあります。
 
体験入居をすることで外観からではわからないことが見えてきます。外観や内装が素晴らしい施設でもスタッフや他の入居者と合わなかったり、食事が口に合わなかったりするかもしれません。
 
また、スタッフが入居者に対して何人いるのか、スタッフの離職率がどのくらいかは選ぶポイントになります。お年寄りになると環境が変わることで心身の体調を崩しやすくなります。相談者のAさんもお母さんの年金、貯金を基に最適な施設選びをしましょう。  
 
執筆者:篠原まなみ
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士

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